園便り 平成29年2月

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園便り

今月の園便り 2月

<子どもの興味を引き出す大人のサポート>

私たち大人は子どもが成長するにつれて、幅広く興味や関心を持って欲しいと願いがちです。こだわりが強く、関心を示すものが狭いと心配になってしまうかもしれません。どうしたら、子どもの興味が広がるのかと悩むことがあるでしょう。しかし、本当に夢中になることができるものだとしたら、その関心を他に向ける必要があるのでしょうか。テレビで活躍されている「さかなクン」は小学生のころ、魚に強い関心を持ち、他の物に興味を示さなかったので、お母様は担任から呼び出され、注意を受けたそうです。その時、さかなクンのお母様が「うちの子はそれでよいのです。」と答えたという話はとても有名です。お母様はさかなクンの魚探究を深めることができるように毎週水族館に通ったり、魚屋さんから鱗のついた魚を購入して観察させたり等、本人が満足して興味が深まるようなサポートをしました。その結果、さかなクンは日本の魚類学者として東京海洋大学客員准教授となり、タレント活動をしながら魚の研究を続ける大人に成長しました。興味あるものを極めることは、決して悪いことではありません。子どもの行動にどこまで大人が根気よく付き合うかが大切です。

先日の誕生会の保護者懇談の中で、「子どもが関心を持っているものが何か」ということを大人がしっかりと観察し、さりげなくサポートすることの大切さに気づかせてもらうお話がありました。

お子さんが幼稚園の図書室から身体に関する本を借りてきているのを見て、身体の仕組みに関心があるのではないかと思ったお父さんは、早速本屋で身体に関する図鑑を購入し、さりげなくリビングに置きました。図鑑に気づいた子どもは、夢中になって本を読んでいたそうです。また、病院でレントゲンを撮って自分の骨を見る機会があった時、その子はレントゲンを見ながら自分の骨のことをたくさん質問したそうです。お医者様とのやり取りも自分の興味を深めるための経験になったことは間違いありません。

子どもが自分でやりたいことに出合い、自分でやってみよう・知ってみようと思ったことを楽しみながら取り組むことができる仕組みは、モンテッソーリ教育と一致する対応です。ご家庭でも「今、興味を持っていることは何か」ということにアンテナを張っていきましょう。ヒントを得たら、さりげなく興味を引くように環境の一部に置いてみることは、子どもが成長するための素晴らしいサポートとなります。ぜひ、今、子どもが興味を持っていることに焦点を当てて観察してみて欲しいと思います。