WFPチャリティーエッセイコンテスト2020⑥

佳作(小学生部門)「家族そろって「いただきます!!」」  4年 小椋美怜

私の家族は両親、姉、弟、私の五人家族です。でも五人そろって「いただきます!!」と言う事はめっ多にありません。なぜなら、父は仕事がいそがしくて、いっしょに食事をする事が少ないからです。私の父は、大きな小児病院で働く医師です。全国からめずらしい病気の子や重しょうの子がたくさん来ます。それなので、父は土日も病院に行く事が多く、夜も私がねた後に帰ってくる事がほとんどです。朝も私より早く起きて、病院に行きます。いたとしても前日に帰たくがおそいため、つかれてねている事が多く、朝食をいっしょに食べる事はあまりありません。「父も病気の子どもたちのためにがんばっているのだから、私もがまんしなきゃ。」と思いますが、やっぱり父といっしょに食べれないのはさびしいです。でもその分、父もそろって家族みんなで食べれた時のうれしさは、かく別です。五人そろって言う「いただきます!!」は楽しいパーティーが始まる合図のように感じます。父は、私が手伝って作ったごはんを、毎回必ず「おいしい」と言ってほめてくれます。そのたびに私は「よーし、また今度も作ってあげるぞ!!」と、やる気が出ます。また父がいっしょだと、会話もよりはずみ、食事もすすみます。「ごちそう様」と言うころには、もうおなかがパンパンです。父一人がくわわるだけで楽しさだけでなく、やる気や、食よくも増すのです。

家族五人そろっての「いただきます!!」は、私の元気ごはんのみなもとです。

 

WFPチャリティーエッセイコンテスト2020⑤

佳作(小学生部門)「本当の意味で生きていく」  6年 奥村晏

「ちらし寿司作るから食卓に上がってきて。」祖母の声に、私はゲームをしていた手を止める。

このコロナ禍で学校は休校。けれど、両親は共働きなので私は祖父母の家に疎開していた。私はせっかくの休みを満喫し、いつも勉強から逃げてゲームに夢中になっていた。

ちらし寿司、か。そういえば最近食べていなかった。本当はゲームをしていたかったが、ゲームをしすぎて椅子に根を生やすのもどうかと思ったので私は階段を上った。

「桶にご飯とお酢と砂糖と塩、入れといたから、切って具を入れてちょうだい。」

祖母の声に従って、ご飯を切っていく。次は具材となるキュウリとシャケを混ぜていった。白い野原に花が咲いたようになった。

ちらし寿司のつんとした匂いが漂う。その匂いを嗅ぐと我慢ができなくてついちらし寿司の味見をしてしまう。一度味見をしてしまうと自分では止められなくなる。また一口、もう一口と…手を伸ばす。もう一口、十口目と手を伸ばそうとすると、祖母が優しく

「もうやめようか。」」

と私の手を阻む。私はハッと我にかえる。見ると、ちらし寿司は元の量の半分くらいになっていた。こんなに食べたのに気づかない自分に私はおかしくなって笑ってしまった。

つまみ食いができるときは祖母や祖父、家族がいる。なんでも前向きに考えられる。しかしどうだろう。つまみ食いがしたいとも思わないのは独りの時。何もかも気が進まない。

家族や仲間がいて、つまみ食いができる時のご飯は私にとっての元気ごはんだ。また独りの時のご飯は私にとって栄養を補給するだけのモノだった。人はただ食べていくだけでは本当の意味で生きていけず、家族や仲間と食べる「元気ごはん」で本当に生きている、と普段なら気づかなかったことを、ふと思った。私だけじゃなく全世界の人が、今この時も元気ごはんで生きていることを想った。