4年1組からのトピック


041の小さな世界、と蚕

【041の小さな世界】

3年生の時からやりたかったという子どもたちが試作していた「教室のミニチュア」。テーマとして他の候補が出ましたが、結局「ミニチュア」に決定し、全員で「教室そのままのミニチュアを作ること」に挑戦することになりました。その作品をカリタスに入りたい子たちに見てもらいたいのだそうです。

子どもたちの視点は、机、ロッカー、ランドセル、ロッカーの中の白いかご、そして教室全体に集まりました。班ごとに分かれての製作活動です。

あるときIさんがせっかく作ったランドセルやかごがロッカーの中に入るのだろうかと、気になりました。同じような割合で小さくしなければ本物そっくりにはなりません。そこで「スケール」という考え方にたどり着きました。同じ割合で縮めることです。けれども、4年生の算数では、まだ商が小数になる割り算は教わっていません。仕方なく、÷10…つまり1/10のスケールで製作することにしました。1回目の測定は、適当に測定した班が多く、やり直しとなりましたが、2回目は、どの班も慎重に測り、÷10をして製作開始です。
2班に分かれていた机班が一緒に活動するかどうかで、自分たちの想いを熱く語り合い話し合いました。そして、これから目指すことを考えた結果、お互いに納得して1つにまとまることになりました。すんなりとは行きませんが、それが総合の醍醐味だと、子どもたちは気づき始めています。

【蚕】

社会の都道府県の学習を兼ねて、Kさんが富岡製糸場に行った報告を聞き、担任の独断で蚕の卵を購入することにしました。それを伝えると、子どもたちも「蚕を飼ってみたい」と嬉しそうです。エサは、人工の物ではなく、桑の葉のみで頑張ります。これを何人もの子が近所の桑の木から集めてきました。5齢ともなると、450頭分の量を確保するのは本当に大変でした。学校の隣に住んでいるSさんのお宅にあった桑からもたくさんいただきました。それがご縁で、蚕が繭になる前に一度教室にお招きし、一緒にミニチュア作りの活動をしました。子どもたちも嬉しそうにお礼状を書いて、Sさんにお渡ししました。

子どもたちは、蚕がうちわに糸を張る写真を見て、是非それをやりたい、と言い出しました。そこで教室中に35本の骨だけのうちわを置いて蚕を乗せ、数日間かけてうちわに糸を吐いてもらいました。そして何とか全員分のうちわが白く輝きました。「このうちわを染めたい」という声もでましたが、ひとまず蚕の活動は区切りとしました。