063練り切り~魅力を伝えよう~
二学期末に問題になった「求肥ジャリジャリ問題」ですが、白玉粉と砂糖を慌てずに少しずつ水に溶かすことが大切だと気づきました。また、サラダ油を少し入れるといいらしい、と調べてきた子の発表から、それに挑戦する所から始まりました。すると・・・何とほとんどの班がなめらかになったのです。これで求肥ジャリジャリ問題は解決しました。ただ甘みが少なかったので、少し砂糖を増やしました。
もう一度学年の友だちに食べてもらいたい、ということで再び友だちのためにつくることにしました。けれども今度は白あんに水を入れすぎてベチョベチョした練り切りになってしまいました。ベチョベチョなので上手く梅花の形もできない作品がたくさん出てしまいました。これは次回への課題となりました。
2月、学習発表会がありました。そこで試食をしてもらいたいと思っていた子が多かったのですが、もともと試食をして人を集めるためにこのテーマにしたわけではないこと、試食をするには準備期間が短すぎることを理由に、紙粘土で梅の花の練り切り作り体験をしてもらうことにしました。しかし、これがとても好評で、100人分あれば余裕で足りるだろうと準備していた紙粘土があっという間になくなってしまいました。この時の係担当の子どもたちは、一人で何人ものお客さんを抱えててんやわんやでしたが、皆が口をそろえて「楽しかった」と振り返っていました。また、あゆみの説明では、何度もの失敗から次への工夫につながる学びを詳しく伝えていた子がたくさんいました。
学習発表会後は、改めて「形」「白あんの水分量」「白あんと求肥の割合」を工夫して最高の練り切りを作ろうと言うことになりました。「形」に関しては、もう一度油粘土で左手と右手の使い方を練習しました。「白あんの水分量」に関しては、「水分量を変えて作ってみよう」となりましたが、実際はこの頃には自分たちの経験から「このくらい」という勘で作っていました。さらに「白あんと求肥の割合」では、作った求肥を全部入れるのではなく、10:1程度で良いのではないか、と言う意見でそうしてみました。最終回には、今までの最高傑作という班がたくさんありました。さらに「この経験を通して、職人さんのすごさがわかったよ」と呟いたり、その奥深さに気づいたりした子が何人もいました。今年の練り切りは、魅力まではたどりつきませんでしたが、練り切りが日本の伝統和菓子である理由に身をもって気づけたことが、大きな学びになったようです。