ランタン
寒い日が続く冬。今までは敷地内に生えていた雑草や枝を拾って、それを材料に紙づくりをしていた6年1組ですが、庭に生えている草木がかなり少なくなってきました。それを一人の子が課題として挙げたとき、「1年生の動物小屋の捨てちゃうワラとかもらえないかな?」とある子が投げかけました。そこから材料の問題は解決に向かい、引き続き良質な紙を目指して制作を続けました。全ては一から作るランタンで泊まるために。
二学期までは、草を固めただけのような紙でしたが、何度も試行していくうちに様々な気づきと出会います。重曹を入れて煮込むとより柔らかくなること。煮込んだ後に叩くと繊維がより取り出しやすくなること。紙をすくときに、繊維が偏らないようにすき枠を揺らしながらすくうこと。二学期との大きな違いは、本格的な紙に近づけるためには「繊維」というものが大切であると気づくことができたところです。それ以降、だんだんと子どもたちの作る紙が白く薄く丈夫になっていき、本格的な紙の実現が近づいてきています。
光を灯すためのろうそく作りも始まりました。給食室から廃油をもらい、一人一人ろうそくを作ります。油がなかなか固まらなかったり、芯となるたこ糸を正しい位置に固定させるのが難しかったり。ろうそく一つでも多くの困難とぶつかります。完成したろうそくの火が小さいことも課題になりました。けれど、芯のたこ糸を4,5本にまとめて太くしたり、芯をティッシュペーパーにしたりすると火が大きくなることに気づき、自分の発見を課題解決に生かすことができました。
「一から作ったランタンで学校に泊まる」という通年の目標は、年度内には達成できませんでした。それも、「年度内に完成させようと急ぐと、ランタンは中途半端なものになってしまう」という子どもたちの想いからです。そこで、卒業した後の来年度にみんなで集まって学校に泊まることを計画しています。6年1組の総合はまだ続いています。