ゆきちゃんだいすき
冬休みが明けて、ますます寒さが厳しくなる中でも、毎日ヤギのゆきちゃんとの生活は続きます。朝の動物当番では、頬も指先も真っ赤になりながらうんち掃きや、すのこ洗いに励み、休み時間にはゆきちゃんとカリタスの森をお散歩したり、ゆりの木広場で2年生の動物たちとふれ合ったり…2年3組の教室の前には、ヤギのゆめちゃんのために作られた「ゆめちゃんランド」があり、ゆきちゃんはそこが大のお気に入りで、ゆりの木広場まで行くと、必ずそこから離れなくなってしまいます。
総合の時間も、「ゆきちゃんと遊びたい」「ゆきちゃんの大好物の草を調べたい」「かけっこしたい」と…やっぱり、ゆきちゃんとしたいことが次々と出てきます。その一つ一つをみんなでやってきました。3月7日のゆきちゃんの誕生日には、みんなでケーキを作ってお誕生会もしました。ただ一つ、1年生が終わるまでに叶わなかったみんなの大きな夢は、「ゆきちゃんと多摩川探検に出かけたい」でした。ゆきちゃんと外に出かけるためには、そばを通る車や自転車からゆきちゃんを守らないといけないし、植え込みや花壇の草花を勝手に食べないように気をつけなければなりません。2年生のお兄さんお姉さんが、アンちゃんやゆめちゃんを多摩川に連れて出かけていたのは、3組のみんなにとっては憧れです。2年生になったら、私たちもゆきちゃんと外に出かけられるように、「おさんぽ名人」になりたいな。
3学期は、1月と2月に多摩川探検に出かけました。真冬の多摩川は、それまで鬱蒼と生い茂っていた草花が枯れ、暖かい時期に見かけていた生き物たちの姿もあまり見かけなくなってしまいますが、見晴らしがよくなったぶん、みんなの活動範囲がぐっと広がって、秘密基地を作ったり、行ったことのない場所に足を踏み入れて新しい場所を開拓したりするグループが増えました。一方、相変わらず湧き水の場所は人気で、一年を通して小エビや小魚を捕まえる子がたくさんいました。虫取り網やペットボトルなどのシンプルな道具の他は、多摩川にある石や草花や蔓、木の枝を道具として上手に使って遊びます。立派な「たんけん名人」になりました。2年生になったら、どんな多摩川探検が待っているかな。
最後にもう一つ、子どもたちは「土いじり名人」でもありました。中庭と植木鉢でタマネギとジャガイモを育て、4月に入学してくる新入生のために、1人1鉢チューリップを育てています。冬の間は成長が止まったようだった植物たちも、立春を過ぎて寒さが緩む日が増えてきてからは、芽を出し、草丈を伸ばし、葉っぱが強く元気になってきました。どんな小さな成長も見逃さず、休み時間から帰ってくると「チューリップの芽が出ていたよ!」「タマネギの葉っぱが増えてた!」と教えてくれる子どもたちでした。2年生になって春を迎えたら、たくさんの草花と土から出てきた生き物たちといっぱい遊べるね。手も靴もどろんこにして遊ぶ子どもたちの姿が、今からとっても楽しみです。