カリタス小学校
カリタス学園
3年1組

年2組からのトピック

■年間のテーマ
発表系

 ●ストーリーの方針が決まりました!
 いろいろなお試し活動をおこない、発表した後にも話し合いを重ねてきました。その結果、6月10日9:29にクラスの意見がひとつにまとまりました!!
 今年度、4年2組の総合教育活動は、「発表系」を進めていきます。劇やミュージカル、歌、演奏といった幅はまだ残されているものの、ともかくお客さんに向かって発表するものをみんなで作り上げよう、というのが目標です。演技だけではなく、小物や背景、大道具といった物作りを楽しみにしている子もいます。衣装作りをしたいという子もいます。台本作りを楽しみにしている子もいます。ひとことで「発表系」と言っても、できること、やりたいことは多岐にわたります。

 テーマが決まった子どもたち、まずはどんなお話にするかを相談していきました。魔女、探偵、宇宙人、おばけ… そうした自分がやってみたい役を挙げていき、そうした登場人物が全部出てこられるお話を作ってみようと試みました。これが『オリスト(オリジナルストーリー)」と呼ばれる物語です。
 話し合いを進めていたところ、「クラスの発表がそれでは困る」という子たちが登場しました。もっと感動するお話がいい、ということで探し当てたのが『サウンドオブミュージック・トラップ一家物語』です。また、ちょっと切ない場面もあるけど元気な女の子がたくましく生きる『アニー』を推すグループもあらわれました。
 それら3つのグループでの話し合いが拮抗してしまい、進まなくなってしまいました。それぞれがお互いのストーリーがどんなものか分からないまま話し合いを進めていたこともその原因のひとつでした。そこで、自分がやりたいと思っているストーリーを、紙芝居の形式でまとめて、みんなに発表することにしました。
 カリタス総合デーでも、たくさんのお客さんに向かって自分たちの紙芝居を発表することができました。お店やさん方式でやったので、多いところは4回も発表していました。くり返すたびに発表が上手になっていく子どもたち。「緊張した~」と言いながらも「楽しかった!」と、「発表系」の練習としてもとてもがんばっていました。

 紙しばいの発表を通して、自分たちのお話を確認して構想し、お互いのやりたいことを知り合うことができました。しかしその後の話し合いでもなかなかひとつには絞れませんでした。はじめは「こういう場面がやりたい」「この役がやりたい」といったことが中心だったのですが、話をすりあわせるうちにこだわりたいのはその雰囲気なのだということがわかってきました。にぎやかで楽しい場面を中心にすえたいオリスト、ちょっと切ない雰囲気を出したいアニー、感動的な場面のなかで合唱を入れていきたいサウンドオブミュージック。どうにも進まず、「最後は多数決で」という話も出た頃、突破口は「4年2組にしか作れないものがやりたい」という言葉でした。世界にひとつの、オリジナルなものが作りたい。原作があると、似たようなものは過去にも未来にもやられるかも、何よりもその原作を超えるのは至難の業。自分たちが作った物語なら、ゼロから作れる全部オリジナルのものにできる… 
 そうは言われても最後まで自分のやりたいことは諦めきれない子も6人いました。すると子どもたちは個々に説得にかかりました。全員が、教室のあちらこちらで説得にあたる姿、感動ものでした。この時点ではまだやりたいことは分かれているのですが、全員が自分の思いをもって活動に向かっていることを目の当たりにしたからです。この思いがあれば、たとえどの方向にいったとしても必ずすばらしい活動になるに違いない、そう感じました。
  そんな時、ある子が涙ながらに語ったのは「いじめの場面はイヤ…」という言葉でした。おためしのミュージカルでもオリストの紙しばいでも取り入れられていた、クラスでいじめられる子がいる場面のことです。その後、いじめっ子といじめられっ子が和解し、協力して立ち向かうというストーリーなので、なくすことは難しいかもしれないけれど、安易にやるのではなく、それで傷つくいじめられっ子の立場はしっかり考えて慎重にやろう、という大切な確認ができました。こうしたところに、多数決ではなく最後まで思いを聞き合う大切さがあるのだと思います。ほとんどのことが多数決で決まっていく民主主義社会において、少数派を大切にするという意味を実感できた、忘れてはいけない大切な場面だったと思います。
 そうした話を積み重ね、最後の最後に残っていたメンバーも「みんながそう言うなら…」と賛同してくれて、全員一致で『方針をオリストで行こう!』と決めることができました。結局、多数決をとるのではなく、説得によって(一応のかもしれませんが)納得して全員一致できたというところにもクラスの粘り強さを感じます。

 ようやく進むべき方針が決まった4年2組の総合「発表系」、これからの活動にご期待ください!

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