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カリタス学園の歩み
1953年、カナダのケベック・カリタス修道女会は、戦後日本の社会的緊急課題であった学校教育の充実に応えるため、リタ・デシャエンヌ、ローズ・アンナ・バイヤルジョン、グロリア・ボリューの3人のシスターを派遣しました。
1960年、来日から7年、シスターたちの言葉の壁を乗り越えた献身的な働きによって学校法人カリタス学園が設立され、シスターリタ・デシャエンヌが初代理事長に就任しました。そして翌1961年、現在の川崎市多摩区中野島に初めてのカトリック学校、カリタス女子中学高等学校が誕生しました。真新しい校舎で中学生207名、高校生157名による第1回入学式が行われ、カリタス学園は輝かしいスタートを切りました。
その後、1962年にカリタス幼稚園、1963年にカリタス小学校がそれぞれ開設され、1964年には、カリタス女子短期大学の前身カリタス女子高等学校専攻科が設置されましたが、1966年、カリタス女子短期大学(英語科)が開設されたのと同時に専攻科は発展解消し、カリタス学園は幼稚園から短期大学までの総合学園としての姿が整いました。そして短期大学は1981年、キャンパスを横浜市緑区(現、青葉区)あざみ野に移転するとともに、1983年には仏語科を増設しました。カリタス学園が当初から掲げてきた英・仏2つの外国語教育は、幼稚園から短期大学までの一貫教育として体系づけられました。
1985年、カリタス学園は創立25周年を迎え、その記念事業として中学高等学校の新体育館が落成しました。1988年、小学校では新しい教育をめざして「総合教育活動」の研究が始まりました。
そして創立30周年を迎えた1990年、その記念事業である小学校のオープンスクール型新校舎が落成し、中学高等学校の新図書室とプールも完成しました。さらに、この年12月には、カリタス修道女会にとって最も記念すべきことがありました。それは会の創立者、マルグリット・デュービルが教皇ヨハネパウロ二世によって、聖人に列せられたことです。カナダはもとより、日本においても盛大な記念ミサが行われました。
さて、1993年、中学高等学校では個性豊かな教育を行うため、教育課程の大幅な改訂を行い、短期大学では開学30年を迎えた1995年4月、国際化・情報化時代にふさわしい大学教育をめざしてこれまでの英語科・仏語科を統合して、言語文化学科〈英語・英語圏文化専攻、仏語・仏語圏文化専攻、コミュニケーション文化専攻〉1学科3専攻が誕生しました。
1999年10月、学園ではこうしたこれまでの歩みを点検評価するため、1年後の創立40周年に向けて「カリタス年」を設定し、「21世紀に生きる福音的学園をめざして」をテーマに教育理念の再構築を図りました。折しも11月には、「総合教育活動」研究10年を迎えた小学校でその公開授業と全国大会が行われました。
2000年、「カリタス年」はクロージングデイを迎え、この大聖年の大きな第一歩として中学高等学校校舎の建替え計画に入り、翌2001年、中学高等学校の新校舎建設に向けたプロジェクトがスタートしました。その後、再構築された教育理念の具現化にふさわしい新校舎が設計され、《校舎でカリタスの教育を語る》をコンセプトに、2006年3月、「聖堂・校舎棟」が、そして、2007年3月「法人・講堂棟」が完成しました。
2010年、カリタス学園創立50周年を迎えました。「今こそ関わりを大切にした学園づくりを-ともに祈り、学び、仕えあう-」をテーマに、10月16日に中野島キャンパスにおいて記念式典・祝賀会を開催しました。また、11月14日には、学園、後援会、同窓会、賛助会などカリタス・ファミリーが一体となって絆を確かめ合う祭り「Kermesse Caritas」が行われ、次の半世紀に向かって学園の新しいスタートを切りました。
こうして、カリタス学園はみ摂理の導きと使命感に燃える教職員のお陰で、著しく発展してまいりました。
ところが、2010年以降、日本社会における少子化の波、高学歴志向の強まりなどによって、ますます短期大学の募集状況が深刻化し、如何なる努力を重ねても、改善できませんでした。そして、良質の教育環境を維持することが困難であるため、残念ながら2015年度募集停止という苦渋の決断に至りました。
募集停止後も、短大のミッションの完成に向かって、教職員は学生たちの指導に尽くし、最後まで「愛の精神」を輝かせ続けました。2016年10月16日の「創立50周年式典」には550名もの卒業生と旧・現教職員が集まり、「カリタス女子短期大学の50年を振り返って」という記念誌を発行し、約5,500名の卒業生を社会に送り出した短大のすばらしい歴史にふさわしいエンディングを迎えました。
2017年7月20日に文部科学省の認可によりカリタス女子短期大学は閉学となりました。
カリタス学園は、学園創立から貴重な遺産である建学の精神と教育理念のもとに、常に時代の変化に対応しながら幼稚園・小学校・中学高等学校のそれぞれが真摯な姿勢で教育に取り組んでいます。
学園の沿革
- 1953
- ケベック・カリタス修道女会の3人のシスターが来日
- 1954
- 東京都世田谷区若林に
ケベック・カリタス修道女会本部修道院を設置 - 1957
- カリタス学生寮開設
- 1960
- 学校法人カリタス学園を設立
- 1961
- 神奈川県川崎市多摩区中野島にカリタス修学院開設
カリタス女子中学高等学校を開設 - 1962
- カリタス幼稚園を開設
- 1963
- カリタス小学校を開設
- 1964
- カリタス女子高等学校に専攻科を新設
小学校校舎が落成 - 1966
- カリタス女子短期大学英語科を開設
(短大開設により、高等学校専攻科はこの年で終了) - 1967
- 幼稚園から短期大学までの一貫教育が完成
- 1968
- 幼稚園の新園舎が落成
- 1970
- 学園校内にプールが落成
創立10周年記念式典 - 1981
- 短期大学の新校舎が落成、
横浜市緑区(現青葉区)あざみ野に移転 - 1983
- 短期大学に仏語科を設置
- 1985
- 新体育館が落成
創立25周年記念式典 - 1990
- 創立30周年記念式典
修学院跡地に小学校の新校舎が落成
新聖堂が落成
新プールが落成
中学高等学校に新図書館が落成 - 1995
- 短期大学が改組転換し、言語文化学科
(英語・英語圏文化専攻、仏語・仏語圏文化専攻、
コミュニケーション文化専攻)を新設
中学高等学校でカナダ研修が始まる - 1999
- 創立40周年に向けて「カリタス年」を設定し、そのオープニングデイを行う
- 2000
- 創立40周年記念式典「カリタス年」
クロージングデイを行う - 2006
- 中学高等学校の新校舎棟が完成
カリタス宗教センター「野菊の家」を新設
同窓会室の移転 - 2007
- 法人・講堂棟が完成
- 2010
- 創立50周年記念式典
- 2013
- カリタス小学校創立50周年
- 2015
- カリタス女子短期大学 募集停止
- 2016
- カリタス女子短期大学創立50周年記念式典
- 2017
- カリタス女子短期大学 閉学
- 2020
- 創立60周年