WFPチャリティー エッセイコンテスト2023入賞作品その1

今年度も4年生以上の全員がWFPチャリティー エッセイコンテストに応募しました。その中から、入賞した5人の作品を順番にご紹介いたします。

小学生部門賞 「空腹の先に見えた物」   5年

私は、二年生の終わりに口の手術を受けた。手術は生まれつきの病気の治療のためだったので、やらざるを得なかった。手術直後は鼻から管を通して栄養を送っていた。
その三日後、栄養ドリンクやゼリー等が与えられたが本当の食べ物が食べられる事をとても楽しみにしていた。ようやく医者からやわらかい物から食べてみようという許可がおりた。食事といっても、ほとんどが水分のおもゆや具の入っていないみそ汁やスープだった。いくら空腹であっても、のどを通らないほどおいしくなかった。私は食に対して興味がなかったのだが、その入院中、ずっと食べ物のことばかり考えていたのだ。どちらかというと苦手だった肉も食べたくなった。腰の骨も取り出し動けなかったので、病室の天井をながめ、今まで食べられる事は当たり前で、いらなければ何も考えずに残していた。食べられない苦しさを身をもって感じた十日間を過ごした。入院生活を終え、私が母にリクエストしたのはハンバーグだった。いつもより、やわらかめに作られた食事だったが、とても美味しく感じた。私はこの退院した日の食事の味も喜びを一生忘れない。
私は入院を通し、食べたい物が食べられないという経験をしたが、限られた期間で安全な病院の中だけである。世界には貧しさや、戦争で、毎日食事ができず、常に空腹で生きている人が沢山いるのだ。空腹を危険な生活の中、しかもいつ食べられるのか先が見えない中で生きていくのはあまりにも苦しいと思う。子供は泣きたくなるし、それを見ることしか出来ない大人もつらいにちがいない。
日本は食べ物があふれ、死を感じる程の空腹を経験することは無いと思う。私は時々、入院中の空腹を思い出すようにしている。そして、食べ物があること、平和であることに改めて感しゃするのだ。「食べることは生きること」多くの人が、食事にこまらず元気に過ごせる様に願っている。