園便り 平成29年3月

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園便り

今月の園便り 3月

<実物と比べる>

卒園が近くなると保護者ボランティアの方々が年長児のための壁面制作をしてくださいます。今回の作品は、みんなが新しい環境に向かって羽ばたいていく力強さを感じました。壁面完成後、年少児が壁面の手型に自分の手を合わせ、比べている姿を見かけました。「大きい…」と呟いている年少児の可愛らしかったこと。いずれは、この子も大きな手になるのでしょう。

子どもの発達の特徴の一つに「実物と比べる」ことがあります。今回、壁面の手型に自分の手を合わせていたのは、年少児でした。この“物と比べる”という行為は、きっと日常生活の中でも見慣れている行為だと思います。例えば、自分のお茶碗とお父様のお茶碗を比べて「お父様のお茶碗は大きい」とか、友達がもっている水筒が自分と「同じ」など、たくさんの物を見比べながら、子どもたちは思考する基礎を培っています。また、モンテッソーリ活動にはたくさん“見比べる”材料が揃っています。幼稚園の柑橘類を収穫して中身がどのようになっているのか子どもたちの前で切ってみると、その実の皮を手で触り、匂いを嗅ぎ、図鑑を見て「同じ」なのかどうか集団で見比べていたのが、年少児たちでした。幼稚園の中で一番五感を使って探索するのが大好きな年齢です。

「実物と比べる」という行為は「自分で考え」「分析する」ことの源になるものなので、もし、ご家庭でお子様が“何かを見比べている”ときには、大人はそっと見守り、探究する時間を与えてあげて欲しいと思います。

柑橘類を見比べる
壁面制作