園便り 2020年1月

園便り

今月の園便り 2020年1月

 新年あけましておめでとうございます。皆様お健やかな新年を迎えられたことと思います。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
 昨年は台風、洪水、地震などの自然災害に加え、世界各地での紛争や難民、山火事等決して穏やかな年とは言えませんでした。令和初めてのお正月を迎え、年号通り安寧で平和な年となるよう祈りたいと思います。

 カリタス幼稚園の子どもたちは四季折々の自然の変化に気づき、その恵みを感じる園生活を大切にしています。広い園庭を走り回り、雨の日のお散歩を楽しみ、木の実を食し、実や花の香りを嗅いだり描いたり、野菜を育てたりと様々な活動を楽しんできました。自然が大好きで、大切に守ろうとする子どもに育ってくれることを期待しています。しかし、生活の中で積極的に自然を守る活動をしているとはいえません。何が無駄なのか、何がもったいないのかをもっと気づかせてあげなければならないと考えています。この子どもたちが将来も豊かな地球で過ごすことができるよう、周りの大人たちこそが生活の豊かさや便利さへの意識を少し変える必要があるでしょう。

 今週の日曜ミサは「主の公現」の祭日でした。星を目印にイエスを求めてエルサレムにやってきた3人の博士の話が福音として朗読されました。さて、私たちの目標とする星はどこにあるのでしょうか。イエスを求めて星を目指して生きるとはどのようなことなのか考えさせられました。目標の星は、利益を上げること、財産を増やすこと、自分だけが幸せで楽になることではないはずです。「イエスと共に生きる者は「愛・平和・平等・正義」といったことが目標になるはずです。」という神父様の説教に、人類の平和と幸せを願うとき、環境問題が大きな意味があることに気づかされました。

 3学期の目標は、「希望と期待を持って進級、進学できるよう、自信と自立を育む」です。最近の保育では、暗記力や何ができるかといった認知能力に対して、粘り強さ、忍耐力、感情をコントロールする力といった非認知能力がより大切な力と言われています。将来、どんな人間になるのかは、幼児期からのこの非認知能力が大きく影響するからです。良いことと悪いことを考えられる、自分で考えて実行するといった自信と自己肯定感のある子どもになるよう、愛情をもってしっかり対応していきたいと思います。

 


             

 


幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」

  10 豊かな感性と表現 
 心を動かす出来事などに触れ感性を働かせる中で、様々な素材の特徴や表現の仕方などに気付き、感じたことや考えたことを自分で表現したり、友達同士で表現する過程を楽しんだりし、表現する喜びを味わい、意欲をもつようになる      (教育要領 領域・表現 原文)

美しいものや優れたもの、心を動かす出来事などに出会ったとき、そこから子どもが何かを感じ取る心を「感性」と呼び、そこで生まれた様々な思いや感情を、いろいろなものを使って表すことを「表現」といいます。
 子どもには、無意識に環境をまるごと吸収する精神が存在します。モンテッソーリ教育の中の感覚の分野では発達段階や興味に応じた感覚教具に触れることにより、感覚の洗練を促します。3歳過ぎの子どもは、感覚器官がほぼ発達を遂げ、さまざまな感覚刺激に対して敏感です。小さな物を見つけたり、かすかな音を聞きつけたり、微妙な匂いや味を区別したりします。微妙な感覚の違いに気づいたり比べたり、これも豊かな感性といえるでしょう。これは、子どもの知性の覚醒を促します。「ものを観察する能力」と「ものを考える方法」とを身につけるからです。違いを言葉で表現し思考へとつなげます。ですから感覚教育はこれからの知性の発達への一歩と言われます。
子どもたちは感じたことを言葉や身振り、楽器やクレヨンを使うことで表現しようとします。このとき大事なことは上手に表現できたかではなく、自分が感じたことを自分なりにあらわそうとする気持ちです。表現することを心から楽しみ、好きになることが大切です。