園便り
今月の園便り 2021年11月
希望して待つということ
子どもたちが登園する際、マリア様のご像の近くでじっと花壇に見入っている様子が見られます。『何に注目しているのかなぁ。』と思って待っていますと、子どもたちが玄関口までやってきて「蝶々が2つ飛んでいたの。」「虫が地面を動いていたよ。」などと教えてくれます。マリア様のお庭で朝の挨拶をする時、虫や花などいろいろ目に入るのでしょう。ある日は、3歳児の男の子に「どうしてマリア様のところには、蝶々がいつもいるの?」と聞かれました。「マリア様の周りをお花できれいに飾ると、その花の蜜を食べに蝶々が来ているのかもしれないね。」と答えましたが、何度か蝶々が飛び交うのを見て不思議に思ったのでしょう。1学期はお母様と離れることがつらそうだった姿が懐かしく思い出されました。
2学期後半に入っていきます。それぞれの学年の成長過程がありますが、スポーツデーを終え、また一つ成長したように思います。興味があることを選んで活動し、終わりまでやり遂げていく繰り返しが、その子にとって大きな自信、安心感につながります。植木鉢の植物が十分水分を保てるように下に受け皿を置きます。幼児期の子どもたちが情緒的に安心して新しいことに失敗しつつ挑戦していくためは、身近な大人という「受け皿」が大切です。様々な大きさや色や形の受け皿があっていいのです。大切なのは、子ども自ら根を張り、育っていくことを底支えする受け皿であるということです。
クリスマスに向けての待降節も始まります。希望して待つ受け皿は、マリア様の心と似ていると感じます。その心にイエス様が宿られるように、私たちの受け皿の中で、子どもたちは開花していくのでしょう。
🌻創立60周年にあたっての学園研修会🌻
「使命を受け継ぎ、未来を拓こう~命の尊厳を伝える学園を目指して~」というテーマのもと、教職員が学園講堂に一同に介し学園研修会が行われました。創立60周年を意識しながら使命の継承、未来に向けての教育改革など、校種を超えて重ねてきた話し合いのまとめを発表し、卒業生によるパネルディスカッションなどを行いました。研修会のはじめに、前理事長のSr.ベルニエ先生が「カリタスの物語~その始まりと歩み」を語ってくださいました。「~神の不思議の御計らいによって、この学園に導かれ、働くようになった皆様、お一人おひとりは、学園の使命を果たすよう神から召されているのです。この使命には、カリタスのアイデンティティーがあり、このアイデンティティーへの忠実さに将来がかかっています。~カリタスの教育理念の価値観は宗教の授業の中で教えるだけではなく、教育のすべての活動の根底に置くことが求められています。カリタスで育った若者は、社会に出て神に心を開き、信頼するすべを持ち、心に植え付けられた価値基準に基づいて自ら行動できるようにということです。メール デュービル(*メールmotherのフランス語、)のように困難や逆境にめげず、日々の生活の置かれた場で人々に仕え、進んで愛の実践に生きることです。」
Sr.ベルニエ先生の言葉は、学園のルーツを思い起こさせ、子どもたちと向き合う私たちの生き方を意識させるものでした。カリタス学園で過ごす子どもたちが愛に包まれ、未来を拓く人になるために、今私たちにできることを考え、実践していくよう招かれた研修会でした。
🌻年長児の育ち🌻
先日、聖劇の役決めのため年長児がホールに集まりました。子どもたちは、先生の指示がなくても各クラスごとまっすぐに並び、自分たちで間隔を取り、静かに座っていきます。その整然とした姿に成長~自立と自律~を感じました。準備として聖劇に登場する人物とその役割について話を聞き、劇中で歌われる歌に親しみ、自分の中でやりたい役を温めてきた子どもたちの表情は真剣そのものでした。一つのパズルがなくなると全体が完成しないように、一つ一つの役が大切であることを確認し、しばし静かな時間の中で、自分の心にある役を確認してからくじ引きをしました。一番やりたい役になれた子、その後のくじ引きで役が決まった子など様々でしたが、聖劇に向かう年長児の一体感が強く伝わってくる、成長がとても感じられる時間でした。
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