園便り 2024年2月

園便り

今月の園便り 2024年2月

          見失った羊を見つけたので、一緒に喜んでください!

                             (ルカ15章6節)

 「先生、おとなになったね。」これは、正月フェスティバルの朝、年長女児が、すてきな和服姿の教員がマリア像前で迎えていた時に言った一言です。前日、成人式で振袖を来た新成人を見たのでしょうか。和服姿の先生も<ようやく成人になった>と思い、この言葉が出たのでしょう。その自然な言葉にそこに居合わせた私たち全員の顔がほころびました。

 

 1月、2月のみ言葉は巻頭に挙げた「見失った羊」のみ言葉です。羊がいる放牧生活が身近でない私たちにとって、この物語はピンとこないところもあるかと思いますが、迷って心細くなった体験や迷子になった我が子を必死で探し回った体験はおありではないでしょうか。不安や怖さを感じながら、助けを待っている時に、見つけてもらえたらどんなに安心するでしょう。羊飼いはどんなに多くの羊がいても、一匹一匹見分けることができ、その性格をよく知り、名前をつけて大切に育てます。「羊の名を呼ぶ」ことは、生活の風景の一部なのです。

 私たちは、自分で様々な決断をして生活していますが、それは名前を呼んで連れ出し、先頭を行くイエス様の存在に支えられているのです。

 

正月フェスティバルの獅子舞は、園児の手紙から….

 正月フェスティバルでは、毎年子どもたちに、日本文化に楽しく触れる体験を準備しています。今年は念願の「獅子舞」登場でした。

 いろいろな地域で獅子舞保存会は活動していますが、皆さん、週末のお仕事がない時に活動しているとのことで、平日に見せていただくことは難しかったのです。保護者の方に相談したところ、親子で獅子舞のお囃子を習っている方を紹介くださり、そのお母様が演じてくださることになったのです。当日は迫真の舞で子どもたちを惹きつけてくださいました

 きっかけをお聞きしたところ、新型コロナ感染症の流行で休止していた、狛江市の祭りに向けての白幡神社に伝わるお囃子の練習が再開され、神社の近くに住むKちゃんが、そのお囃子を聞き、「祭りばやしの練習の様子を見学したい。」という手紙をお囃子の会の方に送りました。そこから見学するようになり、保存会の方からお囃子の太鼓の練習に誘われ、付き添っていたお母様も、一緒に習うことになったのだそうです。そして、今回、受け継がれている大切な獅子頭をお借りして舞うことが叶ったということでした。

 獅子舞体験は「子どもの手紙から」始まりました。このように、子どもたちの物語から行事に繋がったことが嬉しかったです。


                  


 


年長将棋の「指し初め」は、講師の先生も感激

 年長児の将棋が始まって2年目になります。今年も1月16日(火)にお正月恒例「指し初め」が行われました。2チームに分かれ一手ずつ指していきます。これまで基本的な駒の動かし方や対局の仕方を知り、親しんできましたが、今回は駒を見ながら一手をじっくり考えて指していく「真剣勝負」でした。相手の陣地に入って「成る」(駒を裏返す)を成功させ駒をパワーアップしたり、取った駒を使って勝負や自分のチームの王将が危うくなると、次の子がしっかり守ったりと見事な勝負が繰り広げられました。対戦途中、「*三手の読み」の場面には、磯辺先生が「三手の読みは自分が指し、相手がどう指すのかを読み、次の自分の一手を考えるというもの」と説明してくださいました(*:原田泰夫九段の言葉)。対局が進んでいくうちに皆が引き込まれ、一体感を感じるようになり、充実の対局となりました。観戦していた私たちはもちろんですが、講師の磯部先生が、子どもたちの指し手の見事さに驚き、感心されていました。 

 「取られることを恐れないで。取られて、取るというやり方があります。」など、磯部先生の将棋にまつわる言葉は、そのまま生活に生かせるものがちりばめられており学びになります。自分で納得して一手を打っていく姿に、将棋の体験が、考える力、決断力を育んでいることを感じます。ちなみに、「指し初め」は、大人の世界も勝負はつけない引き分けだそうです。