園便り 平成29年11月

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園便り

今月の園便り 11月

秋の深まりとともに幼稚園の木の葉も紅葉し、幼稚園正門を入ると色とりどりの落ち葉が迎えてくれます。小学生の銀杏の実を拾う風景に今年も季節が巡ってきたことを感謝し、園庭のザクロ、カリン、カキなどの色づいた実が重そうに枝にぶら下がるのを見て、恵まれた環境の中で過ごす幸せを感じています。

木の実や木の葉の色や形が一つひとつ違うように、子どもたちは十人十色。その色の特徴、深さに気付き好ましく感じてあげられるのが大人たちの役目です。弱さも欠点も受け入れ、ただ素直に子どもの存在を喜び、その成長に感動し喜べるご両親は、どんなに幸せな子育てをしているのでしょうか。私たち大人も人の目を気にしたり欲を出したり比べたりという一般的な精神生活から解放されたら、もっと豊かな生活ができるのでしょうね。大人が感じているプレッシャーを子どもにそのまま向けていかないよう気を付けたいものです。

さて11月13日は学園聖堂で「七五三の祈りの集い」があります。これまでの無事な成長を感謝するとともに、これからの健やかな成長を願い祈る集いです。ご両親にとって我が子は文字通り「大切な宝物」です。生まれ出たわが子を胸に抱き、その喜びを深く感じたことと思います。しかし、ふと気が付けば子どもの行動にがっかりしたり、イライラしたりして子どもを叱りつける自分の姿に嫌気がさすこともあるでしょう。あれこれ注意され叱られる子どもは「自分は愛されていない。ダメな子なんだ」と感じているかもしれません。人を信じ自分を信じることのできる自信は小さい時にこそ育つもので、母親との深い信頼関係の中で十全により育つと言われています。「私は愛されている。お父さんもお母さんも私が大好き。一緒にいると安心する」と言う気持ちが基本的信頼感を育てていきます。「あなたが大好き。神さまはあなたのことが大好きなお父さんとお母さんのところにあなたを送ってくれたのよ。」と言って、ご両親の気持ちを大切なお子様に是非言葉で伝えてあげてください。

<聖劇>

カリタス幼稚園では、いろいろな場面で子どもが自分で選んで決めることを大切にしています。
年長の「聖劇」の役決めもその一つです。年長聖劇の導入では昨年度のDVDを見ながら、次のことを話しました。

  • 「聖劇」は、イエス様の誕生の喜びをみんなに伝える大きな役割がある。
  • 羊飼いと博士のところに救い主の誕生が知らされた意味。
  • 神さまの言葉を聞いて「ハイ」と受け入れたマリア様の神さまに従う素直な心と困難なことに向かう強い気持ち。イエス様の誕生を皆に知らせる大切な役なので、「やりたい」だけではなく、どうしてやりたいのか自分でよく考えて選ぶこと。
  • どの役も大切で、どの役も公平に言葉や歌がある。みんなでこの「聖劇」を作るという気持ちの大切さ。
    子どもたちの意思を尊重したいと思いますが、第一希望者から優先して決めていきますので、多数希望者がある役はくじになります。ここでも年長さんらしい自分で選ぶこととその責任、あるいは我慢することも必要であることを学ぶと思います。年長さんの心が一つとなって成功することを期待しています。
モンテッソーリ 【感覚教育Ⅰ】

人間は、見たり、聞いたり、触ったり、嗅いだり、味わったりして外界を自分の中に取り入れます。その情報は感覚中枢を伝わり、「脳」に伝わっていきます。受け取った情報を基に「脳」は運動中枢を通して「運動器官」に指令を出します。3歳から6歳は、「感覚器官」「脳」「運動器官」が完成されていく時期だけに、この時期の子どもにとって、視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚などの感覚器官を洗練することは、その後の成長の土台となります。いずれにしても、人間が環境と直接的に結びつく感覚器官を教具で意識的に刺激して教育し、感覚器官自体の発達と概念形成を含めた知能発達へ導くものとして、優れた教育法と考えられています。

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