園便り
今月の園便り 2023年6月
「心を尽くし、魂を尽くし、力を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。
また隣人を自分のように愛しなさい。」(ルカ10章27節)
新年度が始まって2か月が過ぎました。登園時泣いていた子どもたちも、笑顔で、または少しがんばってお母様と「行ってきます。」と別れることができるようになってきています。芝生の園庭を年少児と手をつなぎながら歩いていく年長児、年中児の姿が頼もしく、微笑ましく感じます。やはり友達の力は大きいものです。一人ひとりが安心して、興味、関心のある活動に取り組んでいると、そこに心地よい静けさや自由な雰囲気が出てきます。一人の子どもが安心すると、周りにいる子どもたちに伝わっていき、クラス全体に広がっていきます。一人ひとりが成長の「今」を生きています。
カトリック教会では6月を「イエスの聖心(みこころ)の月」として、一人ひとりをご自分よりも大切にされ、命を捧げられたイエス様の心を思い、その愛に応えることができるようにと祈ります。幼稚園での生活の中心にイエス様がおられ、その優しさが子どもたちや私たちの心に広がっていくよう意識していきたいと思います。(6月、7月の宗教のねらいをご覧ください。)
巻頭の「尽くす」という言葉で思い起こすのは、モンテッソーリが着目した子どもたちの「敏感期」です。3歳から6歳ころの時期は、何をするにも精一杯努力する、やり尽くす時です。この時期は自分の意志によって、体を目的に向かい動かすこと、随意筋肉を調整し、習得する時です。この時期ありとあらゆる種類の体の使い方を習得しようとし、子どもは体を動かすことに力を惜しまず、精一杯努力するのです。運動の敏感期を過ぎると、一生懸命体を動かすことより、なるべく力を使わず、効率的に動くことを好んでいくようになります。(「ママ、ひとりでするのを手伝ってね!」(野村みどり著参照)新型コロナ禍、体を思い切り動かすことができない時期を過ごしてきた子どもたちが、運動することの楽しさを体験できるよう幼稚園、ご家庭でも意識していきたいと思います。まっすぐ立つ、体操座りなどができると気持ちが良いものです。6月は、参加型体操参観が行われます。お子さんの体の動きも少し意識しながら参観し、保護者の方も、ご一緒に運動しましょう。今年の種目にも、SDGsを意識したものがあります。どうぞ、お楽しみになさってください。
6月・7月の宗教のねらい~すべてのものを造られた神さまありがとう~
・イエス様のやさしい心に触れる
・神さまは、ひとりひとりを愛し、大切にしてくださることを知る
聖書の箇所:「隣人を自分のように愛しなさい(ルカ福音書10章27節)。イエス様の時代、隣人とは、同じ宗教を信じる人たち、律法を守って正しい生活をする同胞と受け取られていたようです。イエス様は、善きサマリア人のたとえ話(ルカ10章25~37節)にあるように、枠を超え、全ての人が神さまの大切な子どもであり、弱く助け手を持たない人に寄り添うよう、ご自分の言葉と行いによって、伝えようとなさいます。私たちの中にある、隣人愛を思い起こし、意識できるよう子どもたちと祈り、分かち合っていきます。
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