園便り
今月の園便り 2020年6月
♬ごらんよ、空の鳥、野の白百合を、蒔きもせず紡ぎもせずに安らかに生きる。
こんなに小さな命にでさえ、心をかける父がいる。♪
聖歌の一節です。イエス様のお言葉から作られた歌ですが、自然の営みをじっくり眺め、そこに神さまの慈しみを味わっていたイエスさまの姿が浮かぶ聖歌です。
子どもたちも、季節の移り変わりや自然の営みの循環をよく観察し、驚きや感動を覚えています。梅雨の季節は、湿度も高くなり、過ごしやすいとは言えない時期で、大人は「晴れ間がほしい。」と思ってしまいがちですが、子どもたちは、雨ひとつをとっても、降ってくる様子、雨粒の大きさや、肌にあたる感覚、その音など、さまざまに感じ取り、その季節を豊かに過ごす術を知っているのです。
先日、ある方が「自分が子どもの頃体験したように、子どもたちには、季節の移り変わりや自然の変化を感じ取れる環境の中で過ごしてほしい。」とおっしゃっていた言葉が心に響きます。自然を通して私たちは、実に多くのことを感じ、学んでいるのです。教皇フランシスコは、来日のテーマを「すべてのいのちを守るために」とし、いのちが神さまからいただいているものであること、人間だけではなく、すべてのいのちあるものが、共にケアし合うことによって、いのちが十全に、保たれることを力強く語っておられました。
子どもたちは、すべてのいのちと一体化した感覚を特徴としてもっています。木や花や虫たちが自分に語りかけているように受け止めています。聖堂で灯されたろうそくを見て「ろうそくさんが、涙を流している。」と、まるでろうそくが生きているもののように感じてもいます。
今、covid-19禍で妨げられることが多い生活ですが、健康を損なわれる現実があるからこそ「いのち」のありがたさをも深く感じます。また人と直接関わることができない時ほど、人と関わることの喜びの大きさを再確認できるのではないかと思います。
6月に、新入園児の皆さんをはじめ、子どもたちと会えることを心から願い、安全に過ごせるよう環境を整えてまいります。保護者の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
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