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園便り
今月の園便り 1月
<大人の役割>
年末に電車に乗っている時のことです。大きな荷物を抱えたお父さんが4歳くらいの男の子と2歳くらいの女の子を連れて乗車してきました。子どもたちが座席に座り、A駅を通り過ぎると急に男の子が泣き出して「A駅から行きたい」と言い始めました。私はしばらくその親子のやり取りの様子を見ていました。男の子にはA駅で乗り換えて目的地に向かいたいという強い思いがあるようでした。小さな娘と大きな荷物を抱えている父親は「ごめんよ。ごめんよ。○○ちゃんとたくさんの荷物を持っているから、今日は座っていけるB駅からでないと行かれないんだよ。今度、お父ちゃんと二人きりの時にはA駅から行こうね。」と男の子をなだめたり諭したりしていました。しかし、最後まで男の子が納得することはありませんでした。このお父さんは言葉をかけながら、我が子の気持ちに寄り添うことを大切にしていたのかもしれません。
男の子にとって気持ちを理解し受容してもらえたことは良かった反面、長時間泣いてだだをこねる結果となりました。車内という公共の場であることも考慮したとき、大人はどのように接してあげることが適切だったのでしょうか。子どもは、誰でも自分で考える力を持っています。子どもなりの納得の仕方やタイミングがあるので、時には黙ってそっとしておいてあげることも、子どもに寄り添うことのひとつだったかたもしれません。思いどおりにならないこと、どうにもならないこと、しなくてはならないことが世の中にはあります。それらに対応するために、気持ちに折り合いをつけること、自分を律する力を社会の一員として子どもたちは身につけていく必要があります。子どもたちに必要な忍耐や我慢の場を伝えていくことも、私たち大人の大切な役割であることをあらためて感じた出来事でした。
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