園便り 2023年3月

園便り

今月の園便り 2023年3月

           わたしはぶどうの木、あなたがたはその枝である

                            (ヨハネ15章5節)

 

 2022年度の締めくくりの時を迎えています。

 巻頭にあるみ言葉は、イエス様が、愛する弟子たちに語られた長い告別説教の中にあるぶどうの木のたとえです。頼りにしていたイエス様が受難に向かっていくため、離れ離れになる不安、恐れに囚われてしまうであろう弟子たちに何度も「つながっていなさい」と勇気づけます。その一節が巻頭の「わたしはぶどうの木、あなたがたはその枝です」のみ言葉です。

 

イエス様とのつながり

 神さまのお部屋に集まった年長児にこのみ言葉を紹介しました。「つながる」を感じるため、隣の友達と手をつなぎ、目を閉じます。つないでいる手の感触に感覚を集中させていきます。しばらく静かにしてから目を開け、子どもたちにどんな感じだったか聞いてみました。「温かかった」「やさしい感じがした」など様々な感じ方を伝えてくれます。「今感じたように、イエス様は目に見えないけれど、必ずつながっていてくれているから、大丈夫」と結びました。人は一人っきりだと感じる時ほど、つらいことはありません。誰かとつながっている、受容されていると感じられたら、それは救いです。カリタスで過ごす子どもたちが「神さまとつながっている」ことを心から信じて成長していくことを願ってやみません。

 

友達とのつながり~関わる力~

 一年間、子どもたちはクラスの中での友達との関係性をはじめ、他クラスの子どもたち同士、また同学年(横割り)での関係性をつくっていきました。登園時、手をつないでクラスまで連れていってくれる友達の存在が、新入園児の不安な気持ちを安心へと変えてくれました。仲間がいるから、喜びは倍になり、寂しさは、半分になります。 見学会で来園された方が感心されるのが、やさしくお世話してくれる在園児の姿です。お仕事に誘ってやり方を教えてくれたり、体操の参観の見学時など誘って一緒に体を動かしてくれたりする子どもたちに感心します。カリタス幼稚園を知っていただくには、子どもたちを見ていただくのが一番だと常々感じます。自分で考え、行動する子どもたちの姿、受け継がれている「縦割りの中で優しくされた体験」が心に刻まれ、必要としている誰かに「おすそ分け」になって分かち合われています。

 園庭で遊んでいる時、友達同士でうまくいかず、どうするのかなぁと見守っていると、見ている子が橋渡しをして納得いく解決を見出している姿が見られ、関わり方が成長してきていると感じます。また自分の思いがうまく伝えられず、きつい言葉になってしまったり、強い態度に出てそのまま解決できないで終わってしまったりする時もあります。自分の気持ちだけでなく、相手の気持ちも汲める心が育つまで、まだもう少し時間と体験が必要な時期にあるのです。

 私たちは、他者を必要としています。年長児の卒園を前に、共に過ごす時間もあとわずかです。新型コロナ感染に注意を払いながら、それぞれの大切なタラントン(神さまからいただいている能力、賜物)を大切にし、刺激し合える関わりを作れるよう祈り、援助してまいります。皆様からの今年度一年間のご協力に感謝申し上げます。年長児保護者の皆様、小学校へ行かれても、子どもたちと幼稚園に足を運んでくださいね。


 

 


 🌼3月の宗教のねらい🌼

・一年間の成長を神さまに感謝し、出会いの恵みを大切にしていく(卒園児)こと、友達みんなと仲良く、助け合って進級していけることを楽しみにする。

・四旬節と復活祭について知る。

 クラスの仲間、学年、バスコースなど幼稚園でできた友達との出会いと、その豊かさをお互いに、そして神さま  に感謝しながら日々を過ごします。

 たった一つのいのちを捧げるほど、私たちを大切にしてくださるイエス様、神さまの愛のしるしが十字架にあり ます。その愛に包まれている私たちは、すでにイエス様と一緒に死をも過ぎ越し、永遠を生きているのです。イエス様の復活がもたらす喜びを子どもたちと分かち合います。

 


🌸ひつじに触ってにっこり・ホッコリ🌸

 園長室には羊がいます。小学校のように生きている羊ではなく、ぬいぐるみですが子どもたちは羊たちに会いに園長室に来てくれます。毎年「一匹の迷った羊、ちび」のお話をしますが、子どもたちにとって羊飼いや仲間から離れ、一人ぼっちで見つけてくれるのを待つちびは、自分と重なるものがあるのかもしれません。優しく羊を撫でる子どもたちの表情は、本当に安らかで、見ていてこちらの心が平和になります。