園便り 2023年7月

園便り

今月の園便り 2023年7月

                  天使のはなし 

 

 先日、子どもたちの活動の様子を見ていましたら、一人の年長児が「シスター、天使に触りたい。天使に会いたい!」と言いました。掌に納まる6cmほどの白いお手製フェルトのかわいい天使のことで、教会の信徒の方が作ってくださったものです。女の子が年少児だった時、「大丈夫、天使さんが一緒にいるからね。」とフェルト天使を紹介し、彼女のところに出張させたことがありました。この天使はたまに出張しています。お母さんが恋しくて泣いている子のところ、友達と折り合いがつかず、気持ちの納めどころが見つからない子のところなど、出張先は様々です。そこへ数人の子どもたちが集まり、目には見えないけれど、守護の天使が一人ひとりを守っていることを伝えると興味津々。「なんで目に見えないの?」「天使は人ではないので目には見えないのです。神さまが見えないように。」「えっ、人じゃないんだ。」「どこにいるの?」「頭の後ろあたりでしょうか。」などなど。最後には守護の天使に名前をつけようかという話まで出てきました。

 人は、温かく見守ってくれる誰かを必要としています。神さまは、別名を「インマヌエル~神はわたしたちと共に~」ですが、天使が神さまの使いとして見守っていることを信じ、子どもたちも「マリア様、守護の天使、どうぞお守りください。」と毎日祈っているのです。


                   


十字を切るということ

 祈りのはじめに十字架のしるしをしますが、それを「十字を切る」と言います。一番短い祈りとも言われる十字架のしるし。『「父と子と聖霊のみ名によって」と言いながら、右手で額から胸へ、左の肩から右の方へ、十字を切ります。額は私たちの知性と考えの場、胸は心と情緒の場、そして両肩は日々の十字架を担う場です。私たちの思いと言葉と行いのすべてが、主キリストの死と復活にあずかるものとなるように祈る、一つの象徴の動作です。』(百瀬文晃著『キリスト教の輪郭』)心を神さまに向け、真剣に十字を切る子どもたちの姿にまっすぐ信じることの大切さを教わっています。

 


🌸加藤愛実(まなみ)先生の運動遊びより~夏休みに楽しめること🌸

 愛実先生の2歳児対象の運動遊びが好評です。6月の内容から、幼稚園児も楽しめるものを紹介します。家にあるフェイスタオルを使って左の写真のように、子どもが両手でつかんだタオルを大人が引っ張っていく運動が、腹ばいで動く楽しさを体験できます。また、右の写真のタオル引きをお家の方と、ぜひ力比べをしてみてください。コロナ禍、運動量が不足しがちだった子どもたちは、転びやすい傾向があるようです。バランスをくずした時、手が出るためにも、「ライオン歩き」(膝をつかずに両手足をつけて歩く)を愛実先生が推奨しています。


       


 

 


🌸オープンスペースの様子です🌸

 新園舎の特徴の一つは、オープンスペースです。各クラスを遮る扉がなく、どのクラスにも行き来しやすい環境が整っています。年度はじめに話しましたように、1階、2階に担任の他にフロア担当教員がおり、クラスにも入りながら、オープンスペースでの子どもたちの活動を援助しています。3か月が経とうといている現在のフロアの様子を伝えます。

<子どもたちの様子>

 6月に入り、オープンスペースだけでなく、クラスを超えて教具での活動をとても自然に行ったり、互いに行きすることが活発になっています。他クラスから必要なものなどを「借りる」様子もあります。主体的に動く姿が見られ、シール帳の習慣化、友達の仕事を見て、刺激を受けて“興味があるお仕事をよく観て、時が来たら自分でやってみる”モンテッソーリ特有のお仕事に向き合う様子も、よく見られています。

 クラス内は、年少児が環境に慣れつつ、「お仕事」の楽しさを知っていけるように整えていますが、オープンスペースでは、日常生活の練習の縫いさしなどをしている時、難しい場面になった時、フロアの教員が援助し、スムーズに進めるように環境を配慮しています。また、銀行ごっこなど数人でできる活動をクラスの枠を超えて楽しんだり、数の活動の「千の鎖」などをしたり、広いスペースで伸び伸び活動している姿が見られています。