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今月の園便り 2019年11月

 霜月と呼ばれる11月は霜が降る月という意味があり、晩秋から初冬へと足早に季節の移ろいを感じさせる時です。園庭にはザクロ、カリン、ミカン、カキ、柚子、キンカン等の木の実が豊かに実っています。学園中を散歩して折々に季節を感じている子どもたちは、葉の色だけではなく木の実の形や色の変化に気づき、匂いを嗅いだり、実を切って種の様子を観察したりして楽しんでいます。

 「実りの秋」は子どもたちの心と体も大きく成長させる時です。運動会が終わったこの時期はどのクラスも落ち着いてモンテッソーリ活動に取り組んでいます。2時間近く自分の選んだお仕事に夢中になる子も多く、午後からは学年やクラスの活動でそれぞれの年齢らしく成長してきた子どもたちが、活発に友達と関わる姿が見られます。暑くも寒くもないこの季節こそ、子どもたちはたくさんの体験を重ねながら心も体も大きく成長していくことでしょう。

 台風19号、その後の大雨で大きな被害を受けた地域、亡くなった方、大事な家庭の中まで泥水に侵された方々に心からお見舞い申し上げます。憩いの場所であった居室の惨状にただ呆然とするご家族の様子に心が締め付けられました。
 日本における大雨の発生数が長期的に増加傾向にあるのは、地球温暖化が影響している可能性があり、地球温暖化が今後も進行した場合さらに大雨の発生数は増加すると予測されています。このように大雨が増加する傾向にあるのは、日本だけでなく東アジアの広い範囲でも共通していて、地球温暖化やそれに伴う水蒸気量の増加等の世界的な規模の変動が影響していると言われています。 
 産業革命以来、人間は石油や石炭を燃やしエネルギーとして経済を成長させてきました。その結果、大気中のCO2の増加は産業革命前より40パーセント増加しており、やっと世界中がその危機感を現実として感じ始め、対応しなければと国際的な会議も近年活発に行われています。(正確に言えば温暖化の危機はもうかなり前から叫ばれていたのですが)日本では2030年度に温室効果ガス排出量を26%削減(2013年度比)する目標を掲げています。目標達成のためには、家庭関係では約40%の削減が必要で、40%のうちの14%は徹底した省エネによる達成が求められています。
 教皇フランシスコは回勅ラウダート・シの中で「今、この地球は蹂躙され、嘆き苦しんでいる。そのうめき声は、この世界のすべてのうち捨てられた人々の嘆きに重なる。」と述べ、この嘆きの声に耳を傾けるよう招いておられます。この地球や自然界、この世界が私たち人間に何を求めているのか、地球上で人間は何をする使命を帯びているのだろうかという問いを意識することが重要で、この地球を健やかに保ち、次の世代に健やかな状態で受け渡し、彼らも地球を大事にしていくことが出来るようになるために、私は何をする必要があるのかという問いを、私は何のために生まれてきたのかという問いに密接に繋がる深さで問い直すことが大切であると語られます。
 わたしたちの後に続く人々、また今成長しつつある子どもたちのために、一 体どのような世界を残していきたいのでしょうか。これはただ環境に関してのみの問いではありませんが、今を生きる私たち大人は、何のためにこの世に生まれてきたのだろうという問いに、今、私は何をして、何を残していかなければならないのかを責任ある大人として真剣に考えなければならないと感じています。

 


      
            「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」
  9 言葉による伝えあい 
 経験したことや考えたことなどを自分なりの言葉で表現し、相手の話す言葉を聞こうとする意欲や態度を育て、言葉に対する感覚や言葉で表現する力を養う。        (教育要領 領域・言葉 原文)

 気持ちを言葉にするためには、まずは心を動かされる体験があり、その体験をくみ取ってくれる大人が必要です。周りの大人が子どもたちの活動や表情から心情を読み取り、共感し「うれしいね」「楽しいね」「悲しいの?」「さびしいね」などの言葉に置き換えて伝えることで、子どもたちは気持ちを表す言葉を獲得し、使えるようになってきます。
 言葉は人と人の間で育ち、人とつながるためにあります。大きな声で自分の名前を言うことから始まり、作った作品や好きな食べ物をみんなの前で発表したりそれを聞いたりする経験を重ね、小さいグループで名前を決めるなどちょっとした相談ができるようになると、次は友達の意見を聞いたり自分の考えを伝えたりしてグループでの話し合いができるようになります。
 喜んだり、ドキドキしたりする気持ちを共通体験すると、子どもたちの心はギュッと近づき、心を通わせることができます。たくさんの気持ちを伝えあい、たくさんの絵本を読み、豊かに語彙を増やしていきたいと思います。
 言葉を覚え、伝え、考え、表す言語能力は人間のみに与えられた特質です。いくら利口な動物でも、自ら考え言語を用いることはできません。言語能力は幼児期に飛躍的に伸びることはご存じかと思いますが、小さい時から周囲の大人が丁寧に語りかけ、誠実に向き合って話す時、子どもの言語能力はさらに高いものとなるでしょう。