園便り 平成30年2月

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園便り

今月の園便り 2月

先週は40年ぶりの大雪に見舞われ、園庭では深い所で30cm近くも積もり一面の大雪に子どもたちは大興奮でした。大雪での休園翌日からは歴史的な寒波に襲われ、その上交通機関のダイヤの乱れや、交通渋滞などで慌ただしい朝が続きました。しかし、幼稚園、小学校の先生や学園の教職員が力を合わせてスクールバス駐車場や通路を雪かきする様子に学園の協働する力強さを感じました。大変な1週間でしたが、誰1人としてケガや事故もなく過ごせたことに感謝です。また、積もった雪で遊ぶ子どもたちの嬉しそうな様子を見ることができたのも恵みの一つでした。

2月は晩冬とはいえ、1年で1番寒さの厳しい季節です。2月を昔の人は「如月(きさらぎ)」とも呼んでいましたが、「如月」を「衣更ぎ」ともいい、衣を更に着る(重ね着する)ほど寒さが厳しい月だからということだそうです。一方「生更ぎ」ではないかという説もあります。「生更ぎ」は草木が更生する(生き返る)月というのが理由です。確かに園庭のサクラなど落葉樹の枝には春を待つばかりの木の芽の膨らみが見られ、厳しい寒さの中でもたくましく芽をつけ命を繋げていく自然の神秘を感じます。

<子育て支援講演会>

1月24日の「子育て支援講演会」では「あなたのお子さんが生き抜く社会」というテーマでした。寒い中たくさんのご出席を有難うございました。花田先生のデータを基にした講演で、思っていたより早いペースで社会が変化していくことと、現在の常識では対応できない思考の転換が必要であることを気づかされました。しかしながら、現在カリタス幼稚園で教育の基盤においているモンテッソーリ教育が一人ひとりの人格を大切にし、内面からの育ちと自信と自立を育む教育として、社会の変化に通用する大切な教育法であることを改めて確信いたしました。これからも、幼児期から培うべき人格(人間)形成の土台をしっかり育んで参ります。
「自信を持って生きていける」「自立的である」「創造的な力を持つ」「失敗や困難に向かう力がある」。何ができるからスゴイではなく、「根拠のない自信」を持つ人こそが大きくたくましく自分の人生を切り開くことができるという話に共感しました。

<公開保育研究会>

1月25日の公開保育研究会ではスミレ組のクラス活動を中心に、園全体の公開を行い、福井大学の先生方、理事長先生、小学校の先生方の参観をいただき良い研究会となりました。午後からの振り返りでは、「1年間の継続した繋がりの中での活動がよくわかった」「縦割りクラスの中で自然に学び合うことの意味を発見した」「子どもの興味や関心を引き出し発展していった活動であり、五感を使ったアクティブな要素がたくさんある」「どのクラスもいろいろな活動が工夫されており、幼稚園全体に子どもたちのイキイキした空気が流れている」など、たくさんの感想をいただきました。子どもを表面的な基準で評価するのではなく、一人ひとりの中に、今何が起こっているのかをつかむ保育者であることと、保育の専門家としての資質向上のために、これからも研鑽を積んで参ります。

<モンテッソーリの言語教育>
語彙を豊かにする絵合わせカード

大人から見たら無力に見える幼児期に、大人も及ばない言語発達の能力が備わっています。言葉を習得するには一番良い時期があり、多少の違いはありますが、3歳をピークに幼児期の間に現れます。この時期の子どもは、話したいことがあっても表現力に乏しく、なかなか言いたいことが相手に伝わりません。聞いている大人が先取りしたり、機関銃のように一方的に絶え間なく語りかけたりすると逆効果です。ものが言え、思うことが伝えられれば、もう、他人から自分の気持ちを察してもらう必要がなくなります。言語の発達は独立性への大きな一歩です。モンテッソーリの活動では自分の周りの全てを吸収した子どもたちに、比べたり、順序づけたり同じものを並べたりして、曖昧な知識の整理づけをしていきます。