園便り 2024年7月

園便り

今月の園便り 2024年7月

 

                子どもが聖歌を歌う時

 ある日の個別活動の時間のことでした。クラスで子どもたちの様子を見ていましたら、小さな声で聖歌が聞こえてきました。年中児の女の子が、机に向かってお仕事をしながら、「♪せかいのみんなきょうだいさ~」と何気なく歌っている声でした。誰に聞かせるでもなく、手を動かしながら楽しそうに聖歌を歌う子どもから嬉しさや安心感のような穏やかさが伝わってきました。

一人のお母様が「家で過ごしている時、子どもが聖歌を歌っていたのです。家で子どもが何気なく聖歌を歌うのを初めて見て、「喜びに満たされる(この日の分かち合いの聖書の箇所「マリアの賛歌」の中の喜びたたえる)気持ちになりました。」と分かち合ってくださいました。生活の中に聖歌があることのありがたさを感じます。先日も教員同士「子どもたちは、本当に聖歌が好きだね。」と話していたところでした。私たちは祈ろうと思ってもなかなか祈れないものですが、幼い子どもの歌う聖歌に触れると、神さまが近く感じられ、祈りに導かれていくように思います。

 幼稚園は「神さま・自分・友だち・自然と仲良く~子どもが主体的に生活できる環境づくり~自分たちでできたね!~」をテーマにして2年目を迎えています。神さまのお話や聖歌、帰りの会での子どもたちの祈りを通して、「イエス様と仲良く」過ごす環境を大切にしていますが、子どもたちが私たち大人を神さまに近づけてくれる存在となっているのです。

 

          主体性の尊重~子どもたちが主体的に生活できる環境づくり~

 先日、福井大学教職大学院荒木良子先生をお招きして職員研修を行いました。前半は個別活動を、後半は年長児による小グループの「どうしたら地球を守れるか」という対話を見学してからの研修会でしたが、目的がはっきりし、秩序感のある「モンテッソーリ活動」と、答えのない自由な形式の「対話」という全く違う2つの活動を展開している豊かさについて語ってくださり、とても新鮮に響きました。その後「子どもたちの主体的対話的、深い学び」について教職大附属幼稚園の事例を紹介していただき学びましたが、子どもたちは、「好き」なことに出会うことで、だんだん主体的になっていくこと、「好き」は周囲に広がり、仲間づくりにも繋がっていくことに改めて気づく機会になりました。子どもたちは、「好きなことを見つけ、自分で考えたい、もっとやってみたい。」と日々いろいろ実践しています。お互いの思いや考えたことを伝え合い、聞き合う中で関心事や体験は、より深い学びとなっていっているのです。

 最近のことです。登園時2階ホールに通じる木の扉のところに子どもたちが数人集まっていました。どうしたのだろうと行ってみると、扉にアゲハ蝶の幼虫が張り付いていました。子どもたちは話し合ったのでしょう。さなぎになろうとしている幼虫を守るために、けれど自分たちがずっと見守っていられないので、注意書きを扉に貼ることにしました。翌日、さなぎになっている様子に、「昨日と違っているね。」と年少児が言うと、「幼虫からさなぎになったんだよ。」と年長児が教えています。蝶の幼虫を発見し、子どもたちが話し合い、守ろうとしていろいろ考え、実践していく姿はとても生き生きとしています。生活の一コマにもこのように主体的で対話的になり、それは「いのちの学び」に通じるのです。

・子どもが感じ、考え、選んだことを実践する自由をより確保する

・選び、集中、達成感による自己開花をさらに促す(一人ひとりが充実感を味わえるように)

・子どもを信頼し、子どもたち同士の中で考え、悩み、乗り越えていけるよう援助する。

                      (カリタス幼稚園の教育テーマより)

  これらを大切にし、子どもが自分自身を教育できるよう援助していきます。

 


                 


 


 夏休みに楽しめる運動遊び

 夏休み中、身近にあるものを使って楽しむ例として、先日の「未就園児の運動遊び」のボール遊びを紹介します。ボールを新聞紙に載せて、親子で運ぶ、二人向き合って足でサークルを作り、ボールをころがすなど、あまり広さを必要としないでできるボール遊びです。運動遊びを夏休み楽しんでみてください。