2年1組からのトピック


アンといっしょに大きくなろう!

三学期にはいり気温は急降下。朝の小屋のお掃除で吐く息は白いのです。水道が凍っても手が悴んでも床を掃き、すのこをピカピカにする子どもたちでした。

羊のアンとの別れが近づく中、森の小屋に看板を取りつけ、羊毛の向きを揃えるためにカーダーをかけたのです。また、ちぎり絵に手がけ、指絵の具でもアンを描きました。中でもちぎり絵には時間とエネルギーを注ぎ、その制作期間は一ヶ月にも及びました。子どもたちは作品が仕上がると外に跳びだしアンの所へ行って掲げます。柔らかな眼差しを向けるアンと誇らしげな子どもたちの瞳がそこで一つになりました。

3月15日にアンを牧場の福田さんにお返しする日がやってきました。出発直前、トラックの中にいるアンに向けて「ずっとずっとずっとだいすき」を歌って踊るその背中にみんなの思い出が埋め込まれていました。

この一年間のアンとの暮らしと作品を学習発表会で語り、真冬の多摩川にも2度でかけ,全身で命の温かさ、厳しさ、美しさなどを吸収した子どもたちは学年末を迎えました。

新年度の1年生を祝うために昨年末に球根を植えたチューリップが蕾になっています。子どもたちはアンと共に2年間の暮らしをみんなで駆け抜けました。

2年1組からのトピック


アンといっしょに大きくなろう


2学期の幕開けは飼育小屋のお引っ越しでした。幼稚園舎の工事にアンのおうちが新しくなったのです。以前から進めていた雨の日の散歩に使用する簔づくりも完成。毎朝の小屋の清掃にも精を出す子どもたちでした。飼育をしているというよりも家族としてアンと共に生きる気持ちが深まっていったのです。

9月の下旬からアンの羊毛を洗う活動にも着手したのですが、ぬるま湯の温度、羊毛の扱い、すすぎや脱水など一度ではイメージ通りにはいかず、子どもたちなりに試行錯誤を繰り返す中でアンへの想いも深まります。来学期は羊毛を作品にしていく活動、アンのちぎり絵、小屋の看板の設置などを子どもたちなりに構想しています。

休み時間の散歩のルートには1組の教室も含まれていて、みんなとの対話を味わうかのような表情をしていたアンです。

2度の多摩川探検(9月と12月)、親子遠足も実施され、自然の懐に跳び込みその大きさや季節の変化を全身で感じとった2学期でした。探究心を深める、みんなと愉しむ、悦びを仲間にも広げることはもとより教室の図工の授業ではグループで川を絵にする活動にも挑んでいたのです。

栽培の活動では畑の雑草をみんなで抜き年末には1年生と鉢へ土と肥料を入れ、球根を植えました。去年、現在の3年生に教わった日のことを思い出したことでしょう。

毎月計測していたアンの体重は12月に30キログラムを超えました。(昨年牧場から来たときは14㎏)

チューリップのお花がつぼみになる頃、子どもたちはアンとの別れを迎えます。

2年1組からのトピック


もっともっとだぁいすき!

2年生に進級した子どもたちはクラス替えもなく、羊のアンが学校に戻ってくるのを楽しみに待っていました。小屋の掃除や周囲の雑草を抜きながらその日を指折り数えて待っていたのです。4月21日、悦びの再会。この日に牧場の福田さんが毛刈りをしてくださいました。怯えるような表情で毛が刈られる時間を我慢するアンの姿を瞬きもせずに見守っていた子どもたちです。あんなにしんどい思いまでして羊毛をプレゼントしてくれたアンの気持ちに応える飼育活動が再び流れ出したのもこの日でした。

1組の子どもたちの精神的な支柱はアン・・・ 物事の始まりの座標軸になるのはアンの存在・・・ 活動が停滞するときに励ましてくれるのはアン・・・ 聴いてほしいことを受けとめてくれるのはアン・・・。仔羊とみんなは一緒にいるだけで幸せな気持ちになるのでした。

4月以降の活動は・・・、羊毛のゴミや汚れを手作業でとる・・・。(今後は大事に洗う展開へ) 体重を計測する・・・(毎月)、夏野菜の栽培と収穫・・・(畑と植木鉢、前年度からのジャガイモとタマネギの栽培も継続、絵画や造形活動による表現)、その具材を使ってカレーを作りみんなで校内に宿泊・・・(もっともっともくもくお泊まり会 6月22日~23日)、2度の多摩川探検・・・(5月2日、7月6日)など、活動がもりたくさんの1学期をみんなで駆け抜けました。

発見、問い、試行錯誤、工夫が連続的に起こっていますが、そのベースになっていたのは前述の通り、羊のアンへの愛情と飼育活動です。

これら4つの要素はそれぞれが絡み合いながら来学期以降にもつながっていくことでしょう。