6年2組からのトピック


「極め出汁 〜オリジナル出汁を作ろう〜」

 「“極める”っていうのは、ただ繰り返していくことじゃなくて、繰り返していく中で、その深みまで行き着くことだと思う。私達は、まだ全然極められていないし、オリジナル出汁も作れてないんじゃないかな。」

 3学期に入り、クラスではいよいよ、最終目標であった学習発表会での「出汁カフェ」と、そこで振る舞う「オリジナル出汁」について、話し合いの時間を持ちました。しかしそこで、議論が分かれたのです。今まで取り組んできたかつおと昆布の合わせ出汁を提供していくのか、もしくは、新たな材料を加えた、よりオリジナル性の高い出汁にチャレンジしていくのか。残された時間のことを考えたり今までの積み重ねを考えたりすれば、前者のアイディアが妥当です。けれども、冒頭に挙げたこの意見には、大いにうなずける所があり、ここまでやって来た出汁を本当に、自信を持って提供していいものか…皆の心は大きく揺らぎました。学習発表会を間近に控えたこの時期に、まさかの緊急事態発生!と言っても過言ではない雰囲気が漂う教室…すると、別の子が手を挙げて発言しました。

 「“極める”っていうことに終点はなくて、プロの職人さんだって今も“極めている”最中で…だから私達も“極めた”にはなっていなくても、今も“極めている”っていうことでいい。それが大事なんだと思う。」

 さすが6年生。クラスの議論を進め、事態を前へと進めていくのも、教師ではなく子どもたち自身でした。自分たちが一生懸命やって来たことへの価値付け、言葉の解釈、目標の見直しや再確認は、大人の社会でも必要不可欠なもの。それを子ども同士の話し合いの中で進めていけることに、6年間の総合での大きな学びが感じられました。

 学習発表会の出汁カフェでは、年齢問わず大勢のお客様に手作りの出汁を味わっていただくことができました。ふと口からもれる「おいしい」という言葉や笑顔は、1年間頑張った子どもへの何よりのご褒美になっていたようです。

6年2組からのトピック


「極め出汁 〜オリジナル出汁を作ろう〜」

 2学期にチャレンジした出汁は3種類。あご出汁、かつおと昆布の合わせ出汁、そして干し椎茸の出汁。中でもかつおと昆布の合わせ出汁には、研究を重ね3度も挑戦しました。
 「あれ、なんだか薄いなぁ」テーマが決まって最初の挑戦はあご出汁。しかし「お醤油ある?」「塩入れよう!」あれよあれよと言う間に調味料が加えられていき…味は濃くなったものの、何だか腑に落ちない活動となってしまいました。そこで、本格的な出汁屋の出汁を飲んでみることに。すると、調味料なんてなくても口いっぱいに広がる深い味わい、塩や醤油をほんのちょっと加えるだけでいっそう豊かに変化していく旨味が、そこにはありました。これこそが“おいしい出汁”。「私達が目指すのはこれだ!」と方向性を確かめ、こうして、かつおと昆布の合わせ出汁研究がスタートしたのです。
 6人ずつのチームに分かれ、分量から手順まで、自分たちで調べ、考え、実践しました。使う材料はとてもシンプル。しかし不思議なことに、6チームそれぞれ驚くほど違いのある、各々の味に仕上がります。1回目の振り返りを生かした2回目。「昆布の種類が違うからかな」「かつおの量が多かったかも」「なんだかえぐみが出ちゃった」思い通りの味を目指して、様々に原因を探しました。けれども、結局何が決め手になって味に変化が生まれるのか、見極めることはできません。「理科の実験みたいに一項目だけ変えてみれば、もっとはっきり、ここを変えるとこういうふうに味が変わるって言えるんじゃない?」クラス全体での話し合いをきっかけに、活動は次のステップへと進みました。
 分量や材料の種類、水の量など、各チーム、一項目だけが異なる2種の出汁作りに挑戦した3回目。ここでは“予想に反する味の変化が表れる”という問題が勃発しました。振り返りの結果、「一項目だけ変えたつもりでも、お湯の温度や材料を引き上げる時間、出汁のこし方にも影響されて、味が変わってしまう」ということが明らかに。予想よりもずっとずっと、奥の深い出汁の世界。しかし挑戦すればするほどに、いつの間にか夢中になっていきます。自分たちが満足のいく“おいしい出汁”をオリジナルとして発表できるよう、6年2組の極め出汁は続きます。

6年2組からのトピック


「出汁」

 7月7日、21票と17票という僅差で、6年2組の総合テーマは決まりました。最後まで残った候補は組子と出汁。木材を薄く小さく切り出し、かみ合わせだけで幾何学模様を作っていく組子は「難しそう」「だからこそ挑戦したい!」と当初から人気を博してきました。また出汁も、鰹や昆布を使った和風出汁、野菜の切れ端を上手に取り揃えて作る野菜出汁など、広がりのある活動予想に夢が広がっていきました。どちらも魅力的で、総合のテーマとしても申し分なし。しかし取り組めるのは一つだけ。「もう意見は大体出尽くしたよ」という声を受け、双方の活動に一度取り組み、決を採ることとなりました。

 電動糸のこぎりの扱いは、ちょうど図工でも取り組んでいたのでお手の物。とは言え、大きすぎず小さすぎず、ぴったりはまる大きさ・形にパーツを切り出していくのは予想通り難しいものでした。形が出来上がってくると「ぴたっとはまった!」「できたよ〜!」と、満足そうな声があちこちから聞こえてきました。

 家庭科室での出汁作りは、まずは基本から始めたいと“鰹と昆布の合わせ出汁”に挑戦しました。化学調味料にはない、優しくてほっとするような味わいと香り、塩やお酒をほんのちょっぴり入れるだけで風味が良くなる不思議に、子どもたちは興味津々。ゆらゆら上がる熱々の湯気に驚いたり、鼻をくんくんさせて出汁の香りをいっぱいに吸い込んだり、五感を使って楽しむ活動にいっそう関心が高まっていきました。

 体験活動から感じたことをじっくり話し合い、満を持して臨んだ多数決はまさかの19対19。「こんなことってあるの!?」と、教室には苦笑いが広がりました。その後、さらに意見を整理して採った決の結果が、冒頭に書いた票数です。4票差で決まったテーマは出汁。決め手となったのは“活動の幅広さ”と“オリジナルを作れること”でした。まずは夏休み、調べたり考えたり連絡を取ったり、2学期へと続く個人の活動に力を入れていきます。

6年2組からのトピック


「未定」

  「思い出に残ることがしたい!」「総合でしかできないことをやりたい!」「奥の深いことがしたい!」小学校生活、最後の総合に掛ける思いを共有し、6年2組でもテーマを決める話し合いが始まりました。今年は初めに“総合リーダー”を決め、話し合いの進行にも自分たちで取り組んでいます。候補に挙がったテーマは7つ。「今日はそれぞれのテーマについて、提案した人に話をしてもらいます」「今日は各テーブルを回って、少人数で詳しく話を聞ける時間にします」テーマを決める当事者たちだからこそ、リーダーの提案はいつも、今のクラスにとって本当に必要なことにスポットが当てられています。
 行事準備で忙しい中、なんとか話し合いを進めてしぼられたテーマは5つ。運動会と宿泊活動が終わったこれからが勝負と思い、話を詰めていこうとやる気満々です。出汁、岩石・鉱物、日本の城、組子、寄せ木細工。どれも、さすが6年生と思わせる興味深いテーマが残りました。「私たち、不思議と“和”なテーマが多いね」言われてみれば、昨年度の畳に引き続き、和に迫るテーマが多く挙がっています。生活の中で、普段当たり前のように肌身に感じている日本の文化・伝統。しかしその中には、実はよく知らないもの、もっともっと知る価値のあるものがたくさん潜んでいるようです。
 日常を切り取る“面白そう!”の目を大切に、アンテナを敏感に、6年2組はテーマ決定に向け、ここからまっしぐらに進んでいきます。