「メロスと共に 走れ4−1 〜 みんなで劇をつくろう! 〜」
今学期のスタートは「どんな話を(劇として)演じたいのか」を探るところからでした。『レンタル夢ショップ』『走れメロス』という既存の台本を使う案と、『世界昔話大集合(仮)』という台本を創作していく案が出されました。3つの中から自分が推す話を選び、その良さや魅力をお互いにアピールし合った後に、どれか1つに絞ることに…。結果は、太宰治さんの『走れメロス』を選びました。
いよいよ『走れメロス』の台本を手にした子ども達。「どの役に挑戦しようか」と、毎日台本を読み込んでいきます。メロス・セリヌンティウス・ディオニス王などの主要キャストから、街の中に何気なく存在している町の人や村の人までその役はいろいろ。「みんなでつくりあげる」という目標を最初に掲げていたので、全員が何らかの役に就き、全員が演じるというスタイルを取ることにしています。
11月には、ちょうど保護者の方や学校見学にいらした方にその様子を見て頂ける時間がありました。「すみません。私たち劇の練習をしているんですが…」と自ら声を掛け、自分たちの声の出し方、間の取り方、表情などを客観的に見て頂きました。すると「上手だよ」という声だけでなく「もっとゆっくり言った方が…」「顔が下を向いていて…」など、課題となる声を頂けました。自分たちだけでやっていると気づかないことを、第三者の方に教えて頂けるのは貴重な機会でした。
12月、学期末になって、ついに「役決め」のオーディションを開きました。みんなの前でセリフを語り(演じ)、みんなで「誰が相応しいか」を選びました。主要キャストは練習のことや万が一のことを考えて、何人かが取り組めるようにしています。これから冬休みに入るので、その間に、さらに自分の(決まった)役になりきれるように練習を重ねます。
こうやって表現活動に取り組むと、普段の教室ではもの静かな子がそれまでの殻を破ったかのように、声を出せたり、表情が豊かになったりします。この2学期も「えっ、この子が…」と何度、びっくりさせられたことか…。子ども達のいろんな表情に出会えた今学期でした。