手話(仮題)
コロナ禍での学校生活も2年目に突入しました。今までの「あたり前」があたり前ではなくなり、新しい生活スタイルが「あたり前」になりつつあります。子ども達の日々の学校生活も、新しい「あたり前」の中での新年度スタートとなりました。
今年度の本学級はクラス替えがなく進級してきているので、子ども達同士の関係は構築されていく中で5年生を迎えました。ですから、子ども達はある意味「安心感」があるようです。お互いのことを理解した状態なので、物事がテンポよく進む傾向がありました。
総合テーマ決めもそんな中の1つ。例年だと「これがいい」「あれがいい」と最初はいろいろ出がちですが、今年度はあまりたくさんは提案されませんでした。これをどう捉えたらよいかは今後考察してみたいところですが、とにかく「たくさんの中から…」というスタートではありませんでした。
テーマが出されたところで、ときどきグループの組み替えをしながら「よい点」「心配な点」などを話し合っていきました。それをくり返す中で、少し課題が見えてきたテーマは絞られていきます。そして、最終的には「石けん」「キャンドル」「手話」「伝統工芸」の4つ。この4つについて、推している子たちによるプレゼンが行われました。昨年のオンライン授業の展開以来、ICT機器の活用が子ども達の中で「あたり前」になっています。このプレゼンでも、それぞれのグループがロイロノートを活用して文章・画像・動画などを駆使しながらのもので、感心させられました。
結果、今年度の本学級の総合のテーマは「手話」に決定(6月11日)。最終プレゼンで、手話を推す子たちが誰もが知っている「赤ずきんちゃん」を手話で演じたことや、一人の子が「最上級学年になる前に、相手のことをしっかり考えられる自分たちになりたい」という意気込みが、多くの子たちに共感を与えたのだと思います。
テーマが決定してから1ヶ月ほどの活動時間がありました。5人グループをつくり、それぞれがプレゼンで行われた「お話を手話で」という取り組みをしてみました。手話への入口としてどういう方法が一般的なのかはわかりませんが、子ども達にとっては「演じる」という楽しみが加わったことで、意欲が増幅していました。
ここでもICT機器を子ども達はフル活用。お話の台本を機器の中にまとめ、そこにある言葉を検索して手話を画像として見、それを真似しながらお話を手話で表現できるようにしていきました。また、お話の背景として画像を映し出しながらやればよいことにも気づき、手話で表現している背後に、お話にあった画像が流すという方法を生み出しました。
子ども達の吸収力はもの凄いものです。この1ヶ月という時間の中で、それぞれのグループが手話でお話を表現できるようになりました。でも、これがそういうことを必要とする方々に通じるものなのかは、まだ検証されていません。夏休み明けからは、実際に、そういう方々との関わりにも取り組めたらと話し合っていました。