「インスタントラーメン」
9月。「カップヌードルミュージアムに行きたいよね」という会話が聞こえてきます。
しかし「行きたい」という気持ちだけでは動かないのが、カリタス小学校の総合です。「今の予約状況は…」とパソコンで調べてきた子がいました。「行動」がクラスの活動を動かしていきます。現地では、クラス全員がインスタントラーメンの作り方を実際に学び、共通の土台が出来上がりました。巷で話題の安藤百福さんの考え方も学んできました。
さて、学校では、どんな活動をしていこうかな。
「まずは、この前のやり方で再現しようよ!」
始まったのが、「チキンラーメン作り」でした。油で揚げる作り方は、後に「フライ麺」と呼ぶことになる方法です。小麦粉から麺を作り、味をつけ、水分がとぶように油で揚げていきます。まずは麺作り…。
「ポテトじゃん!」
細くもならない、長くもならない麺を見て思わず漏れる落胆の声。
「かき揚げみたい…」
かりっと揚がらずねっとりした麺を見て…。ミュージアムでは作れたのに…自分たちで1から作る難しさを痛感した船出でした。でも、足で踏んでみたり、自宅から製麺機を持参してみたり、あの手この手で工夫を重ねていきました。
中で最も大きく立ちはだかったのは、「油で揚げる」方法そのものでした。なにせ、危ないのです。ばちばち跳ねるからです。そんなときの救世主は、お母様方でした。初めは随分と頼らせていただきましたが、次第に自分たちでもできるように、子どもたちは成長していきました。油で揚げない「ノンフライ麺」を試そうと、ドライヤーにオーブンにノンフライヤーを駆使したこともありました。ブレーカーを落としましたし、機械に頼ってしまうので一度で終えましたが。
クラスの話し合いで決めた目指すインスタントラーメン像は「お湯をかけたらすぐ戻る即席のラーメン」。当たり前かもしれませんが、その「当たり前」さえも難しい。そこにやり甲斐があります。
「あ、ちゃんと戻ったよ」「味もしっかりついてる〜!」
お湯を注いで待つこと数分。子どもたちが嬉しそうな表情を浮かべるのは、当たり前さえも難しいからです。だから喜びも倍増します。
フライ麺作りには、想像できない程に時間がかかります。現在は手作り麺ではなく、市販の麺を揚げています。「いつかは手作り麺で…」「具を作りたい」「焦げないようにはどうしたらいい?」「水圧を利用した真空の方法をもっと教えてほしい」「作るだけで終わりじゃなくて世のためになるよう企業とコラボして売り上げを里子に募金したい…」
子どもたちは、様々な目標をもっています。どんな活動に膨らんでいくのでしょうか。3学期、6年間で最後の総合に、全てを懸けます。