「あずま屋 〜みんなが憩える場所〜」
冬休みの間にYさんが近所からたくさんの廃材をもらってきてくれました。東屋作りに大いに役立ちそうです。そこで学校にある使えそうな廃材を全て校庭に並べて、用途にあったものを選んでいきました。柱にはもちろん11月に切った松を利用します。
設計図班の人たちは、用務の森田さんに自分たちの設計図で大丈夫そうかを聞いたところ、斜めに細い木をつける必要があることと、屋根の傾斜を10度にすることの2つをアドバイスされました。
1月19日、いよいよ柱を立てて製作開始です。久しぶりの電動ドリルがウィンウィンと音をたてています。椅子班は、座面の板の厚みを考慮して脚を38cmに切ることにしました。しかし。もともと柱にもなっていた木です。固いのなんのって!2〜3人ずつがグループになって交代で力いっぱいのこぎりを引きました。
柱が立つと、柱班の作業は終わりです。そこで「すのこ」を作ることにしました。でも下の細木の間隔が広すぎて、人が乗ると板がたわんでしまいます。すると、模型づくりで柱が安定せずに筋交いの必要性を痛感したSくんが「斜めに入れるといいのでは」と提案しました。失敗は発明の母、失敗がここでも役に立ちました。
柱は立ったものの、屋根を乗せるには更に梁の上に短い柱を立てていかなければなりません。どうにかこうにか傾斜10度になるように等間隔に短い柱木を立て、横にビス留め用の細長い木を固定してようやくポリカ製の波板を固定できるようになりました。この波板は、Kくんが屋根の形を調べていたときに見つけたものです。透明で日光がそのまま入るので、中で本が読めそうです。この波板を固定するには、梁の上に上らなければなりません。MさんとYさんが率先して取り付けました。
椅子の上に座布団があるといいな、の声を受けてHさんとMさんがミシンで細長い座布団を縫ってくれました。
そして2月22日、学習発表会の前日、冷たいみぞれが降る中にようやく作業が終了しました。でもここへ来るまで、柱を支えたり、ビスを渡したり、切る板を固定したりと陰で作業を支える人の存在も忘れてはいけません。目立たないけれど、彼ら彼女らも立派に東屋作りに参加をしていたのです。子どもたちは自分の役割を一生懸命に務めている間、友だちの誰かが他の作業を進めてくれていたことに、びっくりするとともに、皆で協力してつくり上げたのだ、という達成感に満たされたようでした。みんなで力を合わせて作った、在校生が憩える東屋は来年の3月まで図書室の裏に立っています。