4年1組からのトピック


041シアター~みんなを物語の世界へ~

冬休み明けに、各チームのリーダーさんが台本を仕上げてきました。誰からともなく「3本立てていこうよ」という声が上がりました。全員賛成。ただ各クラスの持ち時間は15分のみです。2日分あるので、あわせて30分。台本の読み合わせで時間を計ります。「おかのうえのカステラやさん」が13分、「本能寺の変」が9分「ひきょうなコウモリ」が5分、何とか入りそうです。そこで、はっきりと3本立てて進めることが決定しました。
台詞を覚えながら、声の大きさ、立ち位置、動きの工夫を重ねて、初めての舞台練習の日。お互いに見合います。なんだか皆の顔が晴れません。ナレーションが多すぎて、それに合わせて登場人物が次から次へとドタバタと舞台上を動く印象なのです。大切にしていたはずのクライマックスもわかりにくい状態です。「ナレーターではなく、台詞の中に必要なことを入れよう。余分な情報はきっぱりと削ろう」「大事なのは何を伝えたいかだよ。クライマックスを大事にしよう」という声が上がりました。気づけば学習発表会まで1カ月を切っていましたが、急いで台本の書き直しをしなくてはなりません。
ある日、音楽室での練習中に近くにあった太鼓を何気なくたたいている友達を見て、Yさんが「『本能寺の変』の戦いのシーンで使ったら効果的なのではないか」と気づきました。やってみると、一気に臨場感が出ました。音の効果に自分たちで気づいた瞬間でした。それを見た「カステラチーム」と「コウモリチーム」もクライマックスにあった曲を見つけてきて流すことにしました。ぐっとクライマックスが盛り上がりました。
学習発表会まであと1週間と迫った時、ペアクラスの3年3組が自分たちの劇を見てくれました。新しい視点での子どもらしい感想に、新たな工夫への勇気と自信をもらいました。さらには、観客がいることでの緊張感を克服しなければうまくいかないことにも気づきました。練習にさらに熱が入りました。動きが大きくなり、アドリブを入れる余裕も出てきました。残り2日…各自が衣装を工夫して、舞台上で本番さながらの劇を演じました。照明、音響も空いているチームからの助っ人が舞台を盛り上げました。本番までの練習はこれで終了、この時には確実に、3つのチームだけでなくクラスの皆の気持ちが一つになっていることを誰もが実感していました。
いよいよ学習発表会、舞台に上がる子どもたちが声を合わせて「がんばろう~」と声を掛け合いました。そして本番、背景画も大道具・小道具もありませんが、舞台上を伸び伸びと動く子どもたちの姿がありました。