063練り切り~魅力を伝えよう~
夏休みに毎日順番にお世話をした小豆ですが、9月に入ると、高温と降り続く雨のために、あっという間に病虫害にやられてしまいました。結局使えそうな小豆は50粒ほどしか取れませんでした。
また、自分たちは「練り切り」に絞って追究することに決まりました。いよいよ練り切り作りの活動に入ります。まずは調べたレシピ通りに材料をそろえて作り始めます。しかし年季の入った家庭科室の電子レンジがついに動かなくなってしまいました。急遽鍋でゆっくり温めながら白あんと求肥を混ぜていったところ、全く問題なく外側の白い部分が完成しました。
最初の挑戦なので、基本形とも言える梅の花に挑戦。赤と黄色の食紅を混ぜて作りました。でも花びらを5枚に分ける方法や真ん中の黄色いおしべをちょこんと載せる方法など、思った通りにいかず不満気な表情も見られました。それでも出来上がった自分の作品をうれしそうに写真に収まる笑顔たちでした。いざ試食、今回は白あんも中に入れるこしあんも市販のものを使いました。子どもたちは「甘すぎる」と感じたようです。
そこで、第2回目は甘さを抑えた練り切り作りに挑戦しました。市販品にはすでに砂糖が入っているので、無糖の冷凍白あんを取り寄せ、それを使いました。今度は求肥ではなく切り餅を入れて粘りを出す方法に挑戦しました。砂糖と水を適量入れて、9班全部がお鍋やフライパンを用いてゆっくり温めていきました。けれどもどうも切り餅を入れると、もち感が出過ぎて練りきりらしくないのです。また、今回はこしあんを入れなかったことも原因かもしれませんが「甘くなさ過ぎて美味しくない」と言う子、「私はちょうどいい」という子がいて、人によって味覚がちがうことを学びました。
次は「万人が美味しいと思う練り切りの味を追究しよう」という目標を持って第3回目に挑戦です。6年1組・2組の友だちや先生方に食べてもらいたい、と思っていたのですが、それは4回目にすることになりました。そのための練習の回です。切り餅を求肥に戻し、冷凍の無糖白あんを使って、周りの部分を作ります。こしあんは前回と同じ市販品です。すると、フライパンで求肥を作ったのですが、ほとんどの班で求肥がガチガチに固まってしまいました。再び水を足して温め直したり、改めて作り直したりして何とかなったようです。今回は青や緑の食紅も用意しました。しかし食紅を入れすぎてしまい、出来上がった練り切りに苦みが出てしまった子もいました。これでは友だちに上げられません。再び「梅の花」を友だちに作ってあげることにしました。
第4回目、いよいよ友だちに上げる作品を作ります。しかしやっぱり求肥作りでガチガチに固まる班が続出しました。時間も足りず、結局ガチガチを細かくしてジャリジャリ状態のまま作品を作らざるを得ませんでした。案の定、友だちからの感想には「ジャリジャリしていた」という回答がいくつもありました。原因を調べたところ、砂糖を一気に入れると粉の周りに砂糖の層ができてしまい、それが水を吸いすぎて上手く水が混ざっていかないことがわかりました。3学期はもう一度このジャリジャリを克服して「万人が美味しいと思う練り切り」の完成を目指すことでしょう。