「草木染め(仮)」
4月、クラス替えがあった後の緊張した空気を感じました。そこで、それぞれのクラスが今までどんな総合活動をしてきたのかを発表することにしました。すると、自分たちがやってきたことは、多摩川たんけんや野菜作りを通して自然や命を大切にしてきたことに気付き、今までやってきたことを生かして3年生の総合も自然や命にかかわっていきたいというみんなの想いが一つになりました。そこから、学年目標の「心のとびらを」や、みんなで考えたクラス便りのテーマである「心をひとつに」から、「みんなで力を合わせて何かを作りたい。」という声が上がりました。この声に、全員が賛同しました。具体的には、劇・料理・押し花・うちわ作り・籠作り・染め物の意見が出されました。子どもたちは、時折「自然・命」「みんなで力を合わせて」という芯となるところに返りながら、互いに指名し合って議論をしていきました。すると、毎日のように興味を持ったテーマについて調べてきて、それを発表させて欲しいという子がでてきました。朝や帰りの時間や、昼食の時間に発表できる時間を作っていきしました。同時に、調べた物や持って来た物を掲示するコーナーを教室の中に設置しました。
最終的に残ったのは、「染める」と「編む」でした。「染める」に関しては、2年生の時に羊の毛を染めたことがあるクラスがあり、それを見て「やってみたかった。」という子や「さらにもっといろいろ試してみたい。」という想いを持っていた子たちが多くいました。けれども、「多摩川に行くと多くの蔓があるから、染料で使った葉や花の残りの蔓で籠を編んだら蔓も無駄にならずに生かせる。」という、意見にも多くの子が共感し、「染めて編む」にテーマがほぼ決まりだしました。この話し合いの次の日の日記に「染めることや編むことの発表を聞いていてどちらも楽しそうだけれど、どちらも色々な方法があるから、それを二つやるには、時間が足りないと思う。」と、書いてきた子がいました。この不安をみんなに聞いてもらうと、「確かに・・・。」と、考えはじめました。子どもたちは、悩みました。そして、最後にまた立ち返ったのは、「みんなで力を合わせて何かを作りたい。」でした。籠は個人の作業が多くなるけれど、「染める」は、「みんなと力を合わせないとできない。」「自然との関わりが四季を通してできる。」ということでした。
「草木染め」(仮称)は、「みんなとつながっていたい。」「自然の恵みを大切にしたい。」という、2組の子どもの想いから歩みだしたテーマです。