5年1組からのトピック


「茶道」

 クラス替えをして初めての総合では、いくつかやりたいことがあがりましたが、茶道が大切にしていることや、必要な道具類など、Kさんは資料をたくさん作ってそれはそれは熱くいかに茶道が総合に適しているかを発表しました。
  皆もその熱意に押されて、「まずはお茶を点ててみよう」ということになりました。茶筅やお茶碗はお家にある人が持ってきてくれたものや学校にあるもので足りました。お茶を点てて飲むだけのつもりでしたが、Kさんはお茶菓子として金平糖を持ってきてくれました。いざ体験・・・ちょっと難しいけれど、自分で立てたお茶の味は格別でした。さらに一粒の金平糖でも、甘みが入ると全くお茶の味が変わることにも気づきました。一気に「茶道」の虜になりました。そのままテーマ決定かと思われたのですが・・・。
  よくよく聞くと、「映画をやってみたい」という人が数人います。でもその想いを皆に伝える様子が見られません。仕方がないので、「取り敢えず映画をとってみよう」ということになりました。初めに「ストーリーには起承転結が必要だよ」と担任から伝えられました。6人組に分かれて、いざ撮影スタート。とった本人たちは、とても楽しそう、自信満々に皆に映像を披露しました。でも、画面がゆれすぎて観客が目を回したり、台詞が聞き取れなかったり、何が言いたいのかさっぱりわからないままなぜかエンディングだけは凝っていたりと、見ている方は全く面白くありませんでした。担任から、昨年度の6年生も同じように映画を撮ってみたという作品を見せてもらいました。皆のような画面の問題や、台詞の問題、ストーリーの問題、全てが見られず、短いけれど起承転結のはっきりとした作品でした。すると、当たり前のようにもう一度撮りたい、という声が上がりました。
  同じメンバーで再挑戦です。どの班も前回の失敗を生かして工夫していました。映画は楽しい、協力しないとできない、ということを実感できた挑戦でした。
  映画作りにたくさん時間を費やしてしまったので、Kさんは「茶道にも時間をください。きちんと体験をさせてください」と皆に伝えました。さらに、体験をさせてくれる団体があることも調べてきました。自分から交渉したい、というので、学校からNPO法人喫茶去さんに連絡を取りました。その後担任が調整役となり、6月29日に中高の和室での体験となりました。皆で懐紙入れも作りました。当日、お茶を点て、お客さんに飲んでいただく。お客さんはおいしくそのお茶を飲み、器を愛でる、といった具合です。その一連の流れの中には、「おもてなし」の心が詰まっているのだそうです。子どもたちは緊張しながらも、一生懸命にお作法に従いました。
  両方のお試し活動が終わりました。どちらをテーマにしよう・・・悩んだ人もたくさんいました。映画の「協力」と茶道の「おもてなし」との戦いのようでした。意見を出し合っていく中で、途中で移動する人も現れました。でも結局23対13で茶道に決定しました。映画派の人たちの中には、涙する人もいました。それだけ熱い想いを持てたことが、この1学期の大きな収穫だったのではないでしょうか。