「つくろう!大すきな竹で」
12月に送られてきた竹筆を1月に袋から開けてみたところ、白いカビが生えていました。子どもたちは、「竹筆があわれな姿に」と言って悲しみました。しかし、挫けずに木槌で叩いて完成させようと、意気込んでいた子もいました。
殆どの竹筆が堅くなってしまって、木槌で叩くと割れてしまいます。「どうしよう」と子どもたち。教師がもう一度竹筆を送ってくださるように富士竹類植物園の柏木さんに連絡を取ると、すぐに送っていただけました。子どもたちに竹筆材を見せると、一気に木槌で叩きます。「もう、失敗はできない」と何人もの子が思っていました。ブラッシングをかけたり、水をつけたり子どもたちが協力し合いながら作業を進めました。見る間に薄黄緑色の繊維が出来上がってきました。子どもたちは、大喜びで「出来た!」そこかしこから声が上がりました。次に字や絵を描きたいと考えたので、机の大きさの和紙に好きに字や絵を描きました。「楽しいな!」顔を見合わせながら時間を考えずに取り組んでいました。次の日には、138cmの長さの和紙に4〜5人のグループで竹林を描きました。子どもたちの中から「全部集めて見た方がすてきです」と意見が出ました。学習発表会では、並べて見せようと考えました。
子どもたちの竹の作品も盛り上がってきて「鹿の親子・小物入れ」など1人〜3人位で作り続けました。
学習発表会当日は、音楽発表会の中に竹の活動の様子を入れて演じました。教室でもグループで活動のあゆみや竹筆の苦心惨憺の様子を来た方に説明しました。来てくださった方が熱心に聞いてくださったので嬉しかったと感想を述べていました。子どもたちにとって、大変満足した発表会でした。
最後の多摩川たんけんは、親子遠足のような形で秘密基地を作ったり温泉のような池を作って小屋を建てそこで昼食を食べたりして楽しみました。
3月に入りヒツジのキララとの別れが近づくと、子どもたちはキララにプレゼントの王冠や足や首に巻く毛糸の輪を持ってきて巻きました。福田牧場のトラックが来ると子どもの代表がお礼の手紙を読んで別れを惜しみました。大泣きした子どもたちは、「キララ私たちを忘れないでね。私たちも忘れないよ」と思いながらその場を後にしました。竹筆で試行錯誤しながら取り組んだことや想像力高める多摩川たんけん、ヒツジのキララを育て育んだ温かい心、どれもずっと忘れられない活動になりました。