「わたを育てて、作ろう!」
夏休みの間、輪番でわたのお世話に学校へ来て、観察をしました。2学期に入り、すくすくと育った?はずのわたの木。何故か元気がありません。水のやり過ぎかもしれないし虫に食べられたのかも・・・?いろいろな目撃証言を集めるうちに「どうも学校にいる動物たちが新芽を食べているらしい」ということがわかってきました。そこでわたの鉢を動物たちが近寄れない場所へ移動し、育てることが決まりました。
収穫期になると「わたがはじけていたよ」と摘んで届けてくれる事が多くなりました。そこで「わたを育ててどうする?」と問いかけると、育てたわたを使ってメイドインカリタスの作品を作りたいとのこと。作品作りのためにわたを収穫後に糸にすることが目標となりました。たくさん取れたように見えましたが改めて収穫量を確認すると、糸にする練習の量はありません。話し合いをしていると「学校の校庭に落ちているイチョウの木の実=銀杏の果肉の部分を洗い、種を乾かしてそれを販売し、練習用のわたを購入する資金とすること」が提案されました。かぶれないようにマスクに手袋、長袖、ゴーグル・・・防護服のような格好で銀杏洗いに取り組みました。それと同時に銀杏販売をするときに使うキャラクターや販売時の言葉などを考ました。昨年銀杏洗いを経験していた子どもたちがいたので、その子たちが中心となって活動をしました。販売は大成功し、ようやく糸を紡ぐためのわたを安心して購入することができました。
昨年羊毛で糸を紡ぐ経験をしていた子どもたちによると「スピンドル」を使って糸を紡ぎ、最低20〜30mぐらいの糸ができれば作品ができるとのこと。まず始めにスピンドル作りをしました。算数で使ったコンパスでダンボールに円を描き切り取り、菜箸にさしてその頭の所に羊頭釘をさして完成です。子どもの力では菜箸になかなか羊頭釘をさせません。すると昨年竹を扱っていた子どもたちは、「穴をあけるなら、きりだよ」とのこと。菜箸にきりで予め穴を開けておけば、子どもの力(力の強い子なら)でも釘を刺すことができました。無事スピンドルが完成し、クラス全員の目標が「糸を20〜30m紡ぐ」となりました。しかし、わたは羊毛とは違い繊維が絡まりにくく、経験をしていた子どもたちも悪戦苦闘していました。糸紡ぎに取り組むうちに、「二人組で糸を紡ぐ人」「手紡ぎをする人」などそれぞれの紡ぎ方(スタイル)が決まってきました。よりをかけて「より細く・強く・長い」糸を紡ぐための試行錯誤が始まりました。