劇×民族楽器
3学期の2組の総合は、「劇」発表に向けて「大道具作り」と「劇発表練習」に終始しました。
とにかく、一月の初めから外部受験の児童の登校が無くなってしまいました。教室で活動できるメンバーが、僅か13名足らずでした。(日によっては、更に少なくなった日もありました。)この留守番チームだけで、総合の時間にできることは、「大道具作り」でした。自分の演技する地域に限らず、手の足りない地域や遅れている地域の大道具の製作に来る日も来る日も奮闘しました。こうして一月も終わり、いよいよ二月を迎えました。二月の一週が過ぎたら、徐々に仲間が教室に戻って来ました。留守番チームの喜びは、「仲間の進路決定に対する思い」と「また一緒に総合活動ができる喜び」があったことと思います。いずれにしても、活動は急ピッチで再スタートをしました。
しかし、学習発表会という一つの到達点が2月17・18日ということを考えたときどの子の中にも「劇発表が本当にできるのだろうか?」という思いがあったものと思います。一度も舞台での全場面を通して演技練習すらしたことが無い状況でした。発表会まで一週間足らずで、間に合うはずは・・・しかし、子どもたちは誰一人として、そのようなことは言いませんでした。子どもたちには、2年越しでここまでたくさんの困難を乗り越えてクラスみんなで取り組んできたからです。子どもたちの願いは、「大勢の人に劇を見て、演奏を聞いていただいて、元気を出してもらいたい!」という熱い思いがあったからだと思います。「人のために・・・」が、去年からの総合のテーマでした。
その頃、コロナの感染率とまん延防止ということが、学習発表会の実施及び発表形式等について教員の中で話題となってきました。これは、6年2組の総合にとっては、非常事態と言ってよいくらいの大問題でした。昨年の発表会がそうだったように、保護者の来校を無くし、児童は、分散登校してオンラインで2日間の発表になった場合、2組の子どもたちが目標にしてきた「劇発表」ができなくなるからです。学校の決断は早かったです。教職員で話し合いを重ね、昨年同様の形式でオンライン発表会とします。この結果を早速私は子どもたちに伝えると、学習発表会の終わった後に、2組だけで劇発表の機会をつくりたい。という意見が子どもたちから出されました。当然の意見だったし、担任も同じことを考えていました。小学校の体育館での発表は、他学年との交流すらできない現状で、保護者の方々に来校していただくことなど更に無理だと思い、すぐに学園講堂の借用時期を探りました。まず、6年生の卒業までの行事や予定、そして、2組児童の練習日程を逆算して出された日が、3月10日でした。発表が現実のものとなったら、どの子もひたすら頑張るだけ!「大道具・地域毎の劇練習・エンディングの演奏」全てを総合リーダーが中心となって、発表会に向かっていきました。ここからの6年2組の子どもたちの底力に驚かされました。学園講堂での通し稽古は僅かに2回。しかもエンディングの演奏に至っては、「曲の流れ、演奏の形態、お互いの立ち位置」これらを決める練習もたったの一度だけ。しかも、全て児童達だけで決まっていきました。3月10日の本番は、3度目の舞台演技でした。演技終了後には、会場から暖かい拍手!みんなの力に感動!