061 宇宙研究隊
3学期になると、子ども達の中で残りの時間が少なくなってきていることを意識し始めます。2月に受験を控えた子どももいます。全員で揃って取り組める時間はほんとうにそんなにないんです。でも、そこは6年生。係の子が中心になって、どのくらい時間が確保できるかを数え、「今日はこういう作業を」「次回はこちらを」「いつまでにこれを」などの声掛けをしながら進みました。
1月のスタートには、民間の宇宙旅行者の日本人第一号となるはずだった稲波紀明さんから、オンラインでお話を聞く機会に恵まれました。応募から既に18年という月日が経っていますが、その夢に向かって準備されている稲波さん。子ども達に宇宙の魅力や準備の様子をお話ししてくださり、最後には「夢をあきらめないで」とメッセージをくださいました。子ども達のこれからの生き方によい刺激になったのではないでしょうか。
その他、日常の活動の内容は、やはり2月末に迎える「学習発表会」に向けてのものが中心。1学期後半から継続しているグループによる研究(6つのテーマ)と個々に記録更新に挑戦しているペットボトルロケットづくりです。
グループ毎の研究は、それまでどんな研究をしてきたのかを伝えるために、紙にまとめてみたり、小冊子のようにしてみたり、模型にしてみたり…と自分たちなりに考え、取り組みました。対面での発表会でも、オンラインでの発表でも、どちらにも対応しやすいように考えます。グループによっての内容、そしてメンバー構成によってまとめ方に工夫が見られました。
もう1つのロケットづくりは、グループの準備の進捗状況を見ながら取り組みました。手が空いたら個人で作業という感じで、作って、飛ばしてと試行錯誤をしました。飛ばすには気象条件も左右されます。このあたり、本当のロケットの打ち上げが条件によって中止されたり、延期されたりということを実際にちょっとわかった気がします。
そして迎えた学習発表会。3年ぶりの対面での発表は、お客様の反応を肌で感じながらの発表で、子ども達にとって貴重な体験でした。久しぶりなので、なかなか自分からは声を掛けずらい子どももいましたが、さすが6年生。多くの子ども達が、自分から声を掛け、お客様に自分たちの積極的にあゆみを伝えている姿に、成長した頼もしさを感じました。
学習発表会を終えてからは、個々で取り組んでいたロケットづくり、ロケット飛ばしを楽しみました。最初から50m近い記録を出していたロケットがあり、それに追いつけ、追い越せとみんな頑張ります。そのロケットは飛行姿勢がとても安定しています。どうしたらよいのか…。試行錯誤する中で「ヘッド部分に少し重みをつけたら」という点に気づきます。ヘッド部分に小石を詰めて飛ばすと、確かに飛行姿勢は安定(詰めすぎもダメですが)。記録も最長60m近くまで伸びたロケットがありました。
と、そんな発見ができて、「さあ次には…」と意欲が高まったところでタイムアップ。卒業を迎え、みんなが小学校から飛び立っていきました。