自然にやさしい木のものづくり
2学期、みんなはどんな作品を作ったのかなぁ?
作品の鑑賞会をして、想像と期待を膨らませてから、3学期の活動に入っていきます。
何を作ろう-。考え始めた矢先、こんな意見が出てきます。
「作ったけど、そのままでいいのかな?それで終わりじゃ深められない気もします。その作品をどうする?って考えてもいいと思うんです。」
「お父さんと話してたんだけど、作ってばかりで使っていなくて、SDGsにならないんじゃないかと思って…。」
「切り出した木くずなどポイっとしていて、ごみをより多く出すのを手伝っているというか…。」
じっくり話し合って出てきた結論は、『使いたいと思えるものを作ろう』ということでした。
その後も作品づくりを続ける中で、こんな声が挙がります。
「今の満足感は70%。なぜかというと、みんなひとつ作り終えたら次、次という風に作っちゃってるので、一つを最大限まで極めて、達成感を感じた方がいいと思います。」
友だちと、そして、学習参加の保護者の方と、無我夢中に作品づくりに没頭する中でも、『何のために作っているのか』をしっかりと見つめ、よりよいものを求めて批判的な思考も忘れません。一人の呟きや考えが、クラス全体に広がっていくのが、総合のよいところでしょう。
3月には、お皿やサイコロカレンダーなどの実用的なもの、本だなや椅子などの大きなものまで、『使いたい!』と思える多様な“木のものたち”が生まれていきました。
一年の学びを伝える2月の学習発表会を振り返ると…。
子どもたちは、2学期に校外学習で訪れた小田原を思い出し、『森の中の雰囲気を出したい』と、教室を薄暗くする中に光を差し込ませました。加えて、『やっぱり木を飾りたい』と、教室の中心に大きな枝をまるで大木のようにどんと立たせ、37名の仲間の顔を飾りました。3組の子たちは、自分の作品やクラスのあゆみはもちろん、友だちの作品までも簡単に紹介して“私たちのあゆみ”をお客さんに伝えていったのです。
「木」と歩んだ一年間―。
37名だけでなく、多くの方に支えられて「みんな」で歩んだ一年間―。
「木」と「人」のぬくもりとともに、心に刻まれていったことと思います。