2年2組からのトピック


アイとアンと38人の仲間たち 

  2学期は探究が深まる学びの場がふんだんにありました。その軸となったのはアンとの日々です。羊毛洗いはそこに行きつくまでに紆余曲折があり、昨年度のあんこの羊毛を何度かにわけて検証しながら進めました。つけ置きの時間、ぬるま湯の温度、羊毛の扱い方はその都度課題が残り、12月に辿り着いたアンの羊毛洗いでようやく理想に近い仕上がりになってきたのです。時間をかけることで羊毛だけではなくアンとの想いも深めてきた子どもたちです。短い3学期でどこまで羊毛の活動をつなげていけるかは未知数ですが、大事に生かしていくことでしょう。
  このほか多摩川たんけん、アンとの多摩川へのお散歩、いのちの絵本を作ることへの動き、聾話学校の子どもたちとの交わり、アンの姿を表現する絵画による表現などものやことに直に触れて問いをもつ物語のある毎日を子どもたちは駆け抜けました。

2年2組からのトピック


アンといっしょに大きくなろう!

 4月に進級して上級生になった子どもたちは月末にアン(羊)と再会しました。その日に目の当たりにしたのは毛刈りです。「ウイーン」「ギュルルル」牧場のお姉さんがアンの身体をなぞるようにバリカンを動かし、音と振動に怖がるアン。その光景を瞬きもせず固唾をのんで見守る子どもたち…。期せずしてその場の空気が一つにつながったのです。
 この日のこの場面が今年度の暮らし、学び、そして総合の原点になっています。一頭の羊があんな思いをして贈ってくれた羊毛を大切に生かしていこうという想いは、学年当初から芽生えていたのです。
 羊毛のごみや汚れを除去することが毛糸づくりのはじめの一歩。まずは昨年度までカリタスにいたあんこちゃんの羊毛から着手しました。
 羊毛がとてもデリケートなことから優しく触り、一つ一つピンセットで取り除く作業は多くの気づきをもたらしました。根気強く継続して2ヶ月かけて羊毛を洗う前の段階に到達。いよいよアンの毛に挑む段階になったところで学期末を迎えました。
 9月以降はアンの羊毛のごみの削除、洗うこと、カーダーなどをかける、紡ぐ…という段階に入っていくことでしょう。夏休みに毛糸になるまでのプロセスを体験してきた子どもたちの経験が今後の指針になりそうです。アンとの暮らしが軸になった学期でした。
 1学期は植木鉢に野菜の苗を植える、観察する、手入れをする、収穫をする。雑草を抜く。ジャガイモを味わう。畑の野菜を育てる。味わう。多摩川探検に出かけてフィールドを走り回る。1年生と交わり飼育の相談に応じるなど、活動が連鎖していく学期をみんなで走り抜けました。9月の再会が待ち遠しいところです。