「クローバーといつもいっしょ」
昨年、お散歩をしながら、毎日の小屋掃除や休日当番といったお世話をしながら、クロちゃんに心を寄せてきた子どもたちは、2年生になっても引き続きクロちゃんと一緒にいたいという願いをもっていました。担任が変わって迎えた4月、クロちゃんのことを聞くと、口々にクロちゃんが好きなこと、いやがること、心配していることなど、たくさん教えてくれました。その話を聞く中で、クローバーを再び学級に迎えるにあたっての子どもたちの願いは大きく2つあることが分かりました。1つは、「クロちゃんが元気に大きくなれるようにお世話したい。」ということ、2つ目に、「クロちゃんのふわふわな毛で○○を作りたい。」ということです。
羊を飼うと決めた時から、クロちゃんの毛刈りをし、いただいた羊毛での作品作りはみんなの願いでした。4月23日に毛刈りをしてもらうことになって、念願の羊毛での活動が始まることに喜びつつも、
「クロは、毛刈りをすると裸になっちゃうから、少し残しておいてあげたい。」
「クローバーが毛刈りをして嬉しいのかちょっと心配です。」
「毛を刈って、冬までにのびなかったらどうしようって思います。」
「心配です。クロちゃんあばれて、できなくなるかもだからです。」
という心の葛藤も聞かれました。「夏は暑いから、毛刈りをしないと病気になってしまう。」という友達の発言から、毛刈りは必要だとわかっていても、クロちゃんにとって初めての体験である毛刈りを無事に終えることが出来るか心配していました。
毛刈り当日、子どもたちは楽しみな気持ちと不安な気持ちが入り交りながらクロちゃんを見守っていました。そして、予想外にお利口に、大人しくジョリジョリされる姿にほっと安心した子が多かったようです。
◆先生、あのね、
4月23日、クロちゃんがかえってきました。さんぽしたらクロちゃんは一年生の小やまでもうダッシュ!(足がはやくなったな。)とおもいました。毛がりのあとでクロちゃんはくびすじとわきばらの二かしょがすりきずのようになっていたので、(だいじょうぶかな。)とおもいました。でも「このくらいならだいじょうぶ。すぐなおるよ」とふくだぼくじょうの人が言いました。わたしはその言ばをきいてほっとしました。毛がりをしたあとの毛をさわってみました。あぶらものをさわったあとのように手がベタベタしました。
クロちゃんの毛をいただいた子どもたちは、それを見ながらクロちゃんのどの部分に生えていた毛なのか予想したり、毛先と根元の方の違いに気づいたりもしていました。羊毛一本は「すごく細い」「髪の毛より細い」「透明みたいな白」「パーマヘアーみたいにくりくり」だとわかりました。そして、ゴミが付いていること、油でべとべとなことに気付き、作品作りのために羊毛を洗う活動が進んでいます。