「作ろう!学ぼう!日本のうちわ」
うちわ完成に向けてラストスパート!2学期の間に薄く削っておいた竹を、次は彫刻刀やなたを使って細く割き、うちわの骨にしていきました。ここまで来れば簡単にできる…かと思いきや、細くし過ぎて折れてしまったり、思うような本数にできなかったり。苦難はまだまだ続きます。それでも挫けず、毎回毎回チャレンジする中で、十数本、二十数本にまで竹を割けるようになっていきました。
「あれ?うちわのカマ(弓)を付けるには、穴を開けなくちゃいけないよ!」一難去ってまた一難、次は竹の節に穴を開けるという新しい作業が必要に。ここでは、ハンドドリルや電動ドリルの使い方を研究して、どうにかカマを通すことを目指しました。
みんなで活動を進めていくと、それぞれの作業に「職人」が生まれていきます。なた、のこぎり、やすりがけ、穴開け、骨を広げる作業、糸で編む、貼り工程…あえてグループを作らずに活動をしてきましたが、自然と得意分野をもって、役割分担をしていくようになっていきました。「ここ教えて!」「そこは私がやるから、こっちはお願いしていい?」総合の時間には、友達同士の会話が飛び交っていました。
一人が1つ作っていくうちわは個人による作品、一人一人の活動です。しかしその製作過程の中には大勢のクラスの仲間がかかわり、協力していました。ある子は「骨組みを編むのも、竹をさくのも、うちわの貼り工程も全部、みんなや先生に教えてもらいました。なので、自分のうちわはみんなで作った、みんなのうちわだと思いました」と、振り返っています。仲間と作っていくからこそ、難しいことにも勇気をもって挑戦し、根気の要る作業にもねばり強く、励まし合いながら取り組んでこられたように思います。
本当は和紙も一から作った手作りした物を貼りたかったのですが…そこまでは力及ばず。ただ、障子紙に絵の具で絞り染めの模様を付け、オリジナルの紙を貼ることができました。出来上がったうちわを使い、ひな祭りの日にはちらし寿司を作ったという子もいました。
カリタスの歴史の中でも初めての挑戦だった“うちわ作り”。最後は「あの生えている竹から作ったんだと思うと…何だか、すごいね」と、みんなで笑って話しました。