「開いてびっくり! 大きなしかけ絵本」
このコロナウイルスによる感染症が広がる中、カリタス小学校では、7月末までの1学期の間は、オンラインによる授業が展開されました。画面越しにお互いに顔を合わせながらの日々。今までに経験したことのないことがたくさんでしたが、子ども達の対応能力の高さには驚かされました。
総合も、例年であれば教室で顔を付き合わせて「これがいい」「あれがいい」と話し合い、徐々にテーマを絞っていき決まります。話し合いの日が近づくと、教室のあちらこちらで同じテーマを推す子ども達が集まり、相談や準備を進めている姿が目に入りました。でも、今年はそれが難しそうです。いったいどう進んでいくのか…。
ところが、想像していた以上に子ども達はそんな中でも話を進めていく力がありました。
画面に顔を並べ、お互いに考えていることを出し合います。また、オンラインで進める手段として得たものを駆使して、今まで以上に資料の提供やプレゼンの仕方に工夫がなされたような気がします。共有の画面には、いつでもお互いのものが見合える環境もあり、それを見合いながら高め合っていたような気がします。
そんな経過を経て、決まったテーマが「開いてびっくり! 大きなしかけ絵本」。最初は「とび出す絵本」だったのですが、敢えて「しかけ絵本」になりました。そこにはテーマについて話し合っていたときに「モザイク」というのがあったので、「それも生かそう」という子ども達の思いがあります。
1学期の末にテーマが決まっていたので、夏休みに自分なりに作ってみた子どもがたくさんいます。実際にやってみたり、調べてみるといろいろな「しかけ」があります。2学期はそれらをお互いに発表し、そして全員が何らかの「しかけ」を生かした1ページを作ってみるとことから始まりました。
その後、いよいよ本格的に絵本づくり開始。5人1チームとなり、既存のお話、創作話を自分たちで選んで、1冊の絵本づくりに取り組みました。各チーム、メンバーの構成によって進め方や役割分担が違いましたが、多くのチームでは文章、作画、しかけ、装飾などの役割分担をしていたようです。取り組んでいる様子を見て回っていると、「この子、こういうことが上手だったんだ」「こういうところ一生懸命考えるんだ」と、普段の教科学習とはまた違う1人ひとりの姿が見られ、驚きや感心がたくさんありました。
「2学期末までに今の作品は完成させよう」という目標を定めていたので、終業式の日も必死に仕上げに取り組んでいるチームもありました。