ペットボトルで作るエコの世界
●「総合教育活動」って?
4月、クラス替えをしてまだ慣れない友だちとの話題は「今年の総合何にする?」でした。友だちと共通の話題で繋ぐ一役を担っていました。そこで、「総合教育活動」の大切な視点について問いかけました。すると、①楽しく一年間かけて探求、追求できるか。②みんなで協働の学びができるか。③みんなが納得できるテーマということがあげられました。そこからスタートし、総合のテーマでやりたいことの意見を出し合いました。そのうちに興味の持つ物同士でプレゼンの内容や資料製作が始まりました。しかし、何でも出していたため、消しゴムはんこ、映画、ペットボトルで作る、劇、トリックアート、縫い物、針金アート、千羽鶴、プログラミング、アレルギー除去食品の開発など12個ものテーマがあげられました。その理由で「今、やりたい事」ではなく「将来役に立つから」という言葉に違和感があり、もう一度問い直してみました。
●5年3組の総合は、「みんなでやればやるほどおもしろい!」が大事
学校でみんなと協力して一つの物を作り上げられる総合のテーマ探しになり、3つに絞ったのが「ペットボトルで作ろう」「映画」「劇」でした。
最初は、それぞれの提案者が説明をしていましたが、それをどのように受け止めているのか知るため、クラス一人ひとりから自分の考えを自分の言葉で話してもらいました。そうして友だちの言葉に耳を傾けていくと、自分の推しているテーマ以外のテーマの良さを認める空気がでてきました。そして、他者を否定するのではなく、意見を述べる言葉に変化がみられ、相手を尊重する話し合いの空気が生まれ、より発言しやすくなったようでした。3組が「学校でみんなと協力して一つの物を作り上げられる総合」に向けて動き出しました。
●相手を認め、尊重する空気が生まれる
最終的に「映画」と「ペットボトルで作ろう」に絞られました。「映画」は3人だったので、多数決で決めてしまえば「ペットボトルで作ろう」に決まるわけですが、「映画の人たちも頑張ってきたから、映画の人が納得する決め方をしてあげたい」と言う意見が出て、その3人にもう一度時間をあげることにしました。映画の3人の話し合いは、33対3と言う圧力に「負けた」では、ありませんでした。「やるだけやったし、4人から一度は増えて最後のここまで残ってきたから頑張ったと思う。みんなに自分たちの考え、映画の良さも伝わっていたのは嬉しかった。私たちも、「ペットボトルで作ろう」の良さも理解しているし、総合のテーマは、もう決めなければならない時期だから、残念だけれど次に進むために「ペットボトルで作ろう」の総合で頑張っていこう」と3人で気持ちを整理してみんなに伝えることができました。