3年3組からのトピック


「作ろう!楽しもう!きょだいめいろ」
 6つのアイデアをもとに、早速、製作スタート。ハンガーを使ったり、机を使ったり、どうにかして巨大迷路につながる糸口を探すことに。活動を続けていくと、「もうちょっとでできそう」「あとちょっと」という声が多く聞かれるようになってきました。しかし、よく見るとできているのはほんの一部分。このまま本当に完成するのだろうか。そんな不安の声は子どもたちの日記にも綴られるようになってきました。活動する中で生まれるこうしたもどかしさとそれを打開しようとする子どもたちの総合への思いは本当に活力に溢れています。
 このままでは終わらないのではないか、日記に綴られた言葉はあせりよりも「どうすればよいか」と前に向いて考える子どもたち。そこで、あらためて子どもたちが考えたきょだいめいろ作りの計画書を眺めてみると、「迷路の基本=設計図」だけを飛ばして活動しています。子どもたちにそれを見せると、「迷路の基本の設計図だけやっていない」と気付き、設計図をあらためて作ってみることになりました。設計図というものは、簡単そうで難しいです。しかし、活動を通して本当に困っている子どもたちにとっては光になるかもしれない大切な手段です。
 設計図を書いて数日、今度は「今の設計図では教室には作れないよ」という声が出ました。そう、設計図はあくまで配られた紙に書いたもので、教室を想定したものではありません。この言葉から二人の子どもが設計図を書いてきました。「机を使った場合の設計図」「ブロックを使った設計図」線の上に何を置くかで設計図が変わることを自ら考えた設計図を使って説明してくれました。難しさもありますが、活動してきたクラスには「何となく」でも意味が伝わっています。そして、「それならできるかもしれない」という期待感もクラスに芽生えてきました。そこで、実際に教室に設計図を使って再現することにしました。
 再現してみると、机を使った設計図は時間通りに作り上げることができました。しかし、机の幅があり教室の中に作ると、どうしても簡単な迷路になってしまうという欠点がわかりました。一方、ブロックで作る方は時間通りに完成しませんでした。迷路としての難しさは確保することができそうですが、ブロックの数が足りないという欠点が分かりました。
 そして、もう一つ、「工作ブロックで想定していたけど、実際はダンボールブロックを使ったから幅が変わってしまい、教室の幅では足りない」ということも分かりました。そこで、クラスみんなで「新設計図」を作り上げることにしました。
 ここで子どもたちがこだわったのは、2組の先生です。「2組の先生を基準に幅を決めたい」という強い思いを持っていました。この思いから2組の先生の通れる幅とダンボールの幅を足すことによって、「ダンボールを線に置いても通れる」幅を求めることができました。
 ここからは、教室に実際の線を引き、新設計図を子どもたちが考え、あとは「ダンボールブロックの数」との戦いです。ダンボールを組み立てたり、大きすぎるダンボールを崩して自分たちが集めているダンボールに作り直したりあらゆる手立てを使って、材料集めを行いました。子どもたちはダンボールを組み立てる人、設計図通りにブロックを積み上げる人、ブロックの型を切り取る人などそれぞれが分担を請け負い、一生懸命に動いていました。最後の1週間はほぼ「材料作り」ですが、大変さの中にもみんなで一つのことに向かう「楽しさ」にも溢れているように感じました。
 学習発表会でたくさんの型が来場され、その方々の笑顔が見れたことを子どもたちと分かち合い、「絆」を感じた一年でした。

3年2組からのトピック


「今、わたしにできること」
 年が明けて着手したことがあります。それは園児さんとする造形活動でした。緩やかな中での交わりでしたが一緒に作品を作りたいという願いをかねてから持っていたからです。箱を使って自分の顔を形にしていきます。ハサミで切りホッチキスでとめ、着色をする過程で対話が生まれ完成の喜びが共有できました。この顔を全員分学習発表会で展示します。発表会当日はチューリップ組のみんなが大勢2組の教室に来てくれました。室内漂う空気も来場者の皆様に感じて頂けたことでしょう。子どもたちはこれまでの経緯を自分の言葉で伝えることができたのです。その後も交わりは続き、多摩川へのお散歩、年長さんの体験入学にも発展しました。そして卒園式当日、チューリップ組のお部屋に駆けつけた36人は「ありがとうの花」を歌いました。歌ではあるけれど「おめでとう」と「ありがとう」の気持ちが重なったメッセージです。まだ会いたいという想いを残したまま24回の交わりにピリオドを打ったのです。

 これからの課題はこの一年間で浴びていた優しさのシャワーを周囲の方々に注いでいくことです。心を耕す総合を経て、子どもたちは新たな学年に臨もうとしています。

2年3組からのトピック


「Toi et Moi とわちゃんといつもいっしょ」
 冬休み明けに全員のマリオネットが完成しました。1組のひかりちゃんのマリオネットもできました。37匹のとわちゃんマリオネットで校内をパレードすると、愛くるしい動きと表情を見せるマリオネットに、廊下を行く児童や先生方からたくさん声をかけていただきました。ちょうどその頃、とわちゃんのお腹に赤ちゃんがいることがわかりました。みんなはとても喜んで子ヤギの誕生を楽しみにお世話を続けていきました。
 学習発表会に向けて、自分たちが一番やりたかった、歌と踊りと劇の練習が始まりました。体育館での全員の舞台発表の練習と教室発表として6,7人がグループで考えるオリジナルストーリーの台本作りも始まりました。「大好きなとわちゃんの一日」を表現することになったので、おはようからおやすみまで細かい仕草や表情を表現すると同時に、台詞も自分たちで決めていきました。「劇の中で、とわちゃんの大好きな姫リンゴやドングリを食べることにしよう」と提案があり、黒板いっぱいに描く舞台背景画に姫リンゴとドングリの木を描いて、木の実をたくさん実らせることにしました。大好きな虫たちや鳥、草原、花々などヤギたちの好きな場所を思い切り描きました。ちぎり絵で描かれたその背景画はとてもあたたかい絵になり、子どもたちも夢中で作っては貼る作業を楽しんでいました。
 体育館の発表は、入場「とわちゃんマーチ」、ひとり一人の挨拶、「アブラハムの子」の替え歌で「マリオネットはみんなヤギ」、ショートコント劇場3つ「脱走」「小屋掃除」「かごめかごめ」を挟んで「パプリカ」「一人ぼっちの山羊飼い」そして最後にカーテンコール「天国と地獄」と盛りだくさん。出入りや自分の立ち位置を覚えるまでが大変でしたが、体で覚えると楽しくなって、「もっとやりたい!」とやる気いっぱいでがんばりました。
 インフルエンザでまさかの学年閉鎖がありました。が、休み明けすぐに幼稚園公演に出かけました。朝から発表の段取りと初めての挨拶、台詞合わせと音楽と踊りのタイミングを確認し、初めての出張公演です。子どもたちは欠席が5人いる中でも、何とか最後までやりきり、園児との触れあいもできて達成感を味わうことができました。この経験が大きな自信に繋がったと思います。
 練習に熱が入れば入るだけマリオネットを激しく動かしてしまい、糸が絡まったりパーツがとれたりすることが多くなりました。その都度修繕してまた修繕しての繰り返しでした。「たこひもを二重にしてしっかり留めると絶対にからまない」と自らの経験から辿り着いた名案を発表してくれた仲間のアドヴァイスがあり、やり直してみると確かに絡まなくなりました。これで一つの問題はクリアできましたがパーツは最後までとれてしまうこともありました。が、めげずに修理し続けました。
 たくさんの人の応援をもらっていざ本番。聴いている人に伝わるようにはっきり台詞を言って、歌って踊って、会場のお客様方は大いに笑ってたくさんの拍手をしてくれました。音楽の鍵盤ハーモニカ「一人ぼっちの山羊飼い」も、思いが全部詰まった演奏で胸に迫る演奏を聴かせてくれました。教室のグループ発表もそれぞれがんばりました。精一杯やって子どもたちも大満足の一日でした。
 翌週の多摩川探検の日の朝、待望の子ヤギが誕生しました。水色の目のかわいい子ヤギは「心春」と名付けられました。子どもたちは大喜びで3月のお別れの日までずっと大切にお世話していました。
 幼稚園に再演に行きました。3月生まれのお祝いです。学年交流の時間もありました。1組にも子ヤギが誕生したのでそのお祝いと、これまでの動物たちへの感謝を込めて、新しい劇と歌と踊りを発表しました。子どもたちは1年間の成長が感じられる堂々とした発表でした。2組、1組の発表も、自分たちの飼っている動物たちへの愛情に満ちあふれていました。クラスをこえてお互いに聞き合う姿も立派でした。かけがえのないたくさんの経験をこれからも大切にしていってほしいです。

2年2組からのトピック


「ふわふわクローバー クロちゃんとエール」
 みんなで染めた羊毛は、18色になっていました。スピンドルでの糸紡ぎも上達し、毛糸玉が作れるくらい長く紡げるようになりました。紡いだ糸を再び撚り合わせる「双糸」という方法があることも知りました。ゆびあみ、かぎ針編み、リリアン編み、棒針あみ等、色々な編み方もやってみました。石けん水でのフェルトコースター作りはみんなで3回チャレンジし、こつがわかってきました。自分たちで洗った毛を紡ぐことも、フェルトにすることも自分でやってみたらとても大変だということがわかりました。
 そして、これまで自分たちが洗い、染めた毛、大事なクロちゃんの毛を使って、一人一人が心に決めた“わたしがクロちゃんの毛で作るもの”を作り始めました。
 さくらの葉で染めた毛糸でのマフラーづくり、カラフルなフェルトバック、クロちゃんそっくりなマスコット。思っていた様にいかないことがあっても、なんとか完成させたい!という強い気持ちで作っていました。
 2年間一緒に過ごした羊のクローバーともお別れする時が来ました。最後にクロちゃんにお手紙を書きました。クロちゃんへのありがとうであふれていました。

 いつもいっしょにいてくれてありがとう。お散歩したり、一緒に遊んだりして楽しかったよ。嫌なことがあってもクロちゃんと一緒にいると忘れられたよ。毛刈りをしてふわふわの毛をくれてありがとう。おかげで大切な作品が作れたよ。クロちゃんが毛刈りの時おりこうさんにしていてくれたからだね。羊のことが大好きになったよ。ありがとう。健康でいてくれてありがとう。私たちはクロちゃんの命を守ることができたよ。クロちゃんがいてくれたから、成長することができたよ。

2年1組からのトピック


「ひかりはみんなのたからもの」
・ひかりのあそび場作り
 クラスで話し合いをして、Aグループが考えた遊び場に決定しました。ビールケースを固定しないと危ないので、くいや結束バンドを使って留めることになりました。互いに声をかけ合って、作業を進めました。ヤギたちの足が挟まれないよう、ビールケースの上に人工芝を取り付けました。寒い中よく頑張り、学習発表会にはほぼ完成しました。ひかりたちも時々乗りますが、赤ちゃんヤギが跳び乗って遊んでいました。

・ヤギのひかりの出産
 今年に入り、ひかりのお腹はどんどん大きくなっていきました。「きっと赤ちゃんがいるよ」1月初めに獣医さんに診て頂き、妊娠が確実になると子どもたちは出産について調べ始めました。「栄養のあるチモシーを食べさせた方がいいんだって」「出産が近いと、しっぽが上がってやせこけた感じになる」「散歩もいっぱいさせなくちゃ」・・・ところが、体が重くなってきたひかりは、なかなか歩きたがりません。そして、2月20日3組のヤギのとわが赤ちゃんを一頭産みました。「ひかりはまだかな・・・」と子どもたちの期待はますます膨らみました。

3月4日 月曜日はさい後の出産予定日でした。でも、うまれませんでした。わたしは、ふあんになりました。しっぽも上げていなかったし、おしりのところもぜんぜん赤くなってなかったので、心ぱいです。

 子どもたちは朝登校してくると産まれているかな・・・と毎日小屋に確認しに行きました。いつ産まれるのだろうと、毎日期待と不安でいっぱいでした。そして、とうとうその時がやってきたのです。3月8日 午後6時40分過ぎ、何気なくふと思い立って、小屋に向かったときでした。いつもと違う甘えるようなひかりの鳴き声。おしりには薄赤い透明などろっとした液体が少し出ていました。出産が始まりました。10名ほどの教員が集まり、ひかりの出産を見守りました。「がんばれ」「ひかりちゃん、がんばって」・・・ 午後7時8分 一頭目が産まれ落ちました。そして、午後7時22分 二頭目の誕生。歓声と拍手に包まれました。翌日は休日でしたが、殆どの子どもたちはひかりと赤ちゃんに会いに来ました。

1年3組からのトピック


「だいすき ふわりとなかよし」
 6月から一緒に過ごしてきたひつじのふわりについて、日々の生活の中で気付いてきたことや観察してわかったたことを、詩に書いたり、ゆび絵の具で絵に描いたり、「ふわりずかん」を作ったりしてまとめました。013オリジナルのユニークな図鑑になりました。
 2月の学習発表会では、多摩川探検の楽しさや発見、ふわりのお世話やかわいらしさについて、歌や踊りも交えてステージで発表もしました。教室でも、描いた絵や「ふわりずかん」等について、家族や来校者の方々に各自が自分の言葉で説明をしました。
 3月の12日に、干し草のケーキを作ってふわりとのお別れ会をして、翌日、ふわりは牧場に帰っていきました。みんな、さみしいけれど、4月にまた戻ってくることを楽しみに待っています。

1年2組からのトピック


「だいすき マロちゃんといっしょ」
 マロは3度目の身体測定。身長は120cm、体重は32kgでした。1年間で40cmも伸び、15kgも増えました。その成長の早さに子どもたちはびっくり。「わたしたちもマロみたいにたくさん食べないと!」と言っていました。  お散歩も随分嫌がらなくなりました。それでもたまにひっぱって歩かせることもあります。「(みんながリードをぐいぐい引っ張る姿を見て…)自分勝手じゃない?やっぱりひっぱると痛いよ。散歩が楽しくてついていくようにしなきゃ」という子がいました。もう歩くようになったんだから…、歩くことを信じて待ってみることにしました。すると、無理に引っ張らなくてもマロはゆっくりと歩きました。

 2月16日には学習発表会がありました。教室では、総合の1年間のあゆみをお客さんに語りました。マロのこと、しいのみのこと、野菜のこと、秋祭りのこと、多摩川のこと…、子どもたちは自ら語るに足る経験と言葉をもっていました。
 舞台発表では、1年生全員で歌とシュプレッヒコールを発表しました。歌はもちろん「きみがだいすき ずっとだいすき」、そして「レッツゴー!たまがわたんけんたい!」です。見ている人に伝わるように一生懸命練習してきました。屋上で、空に向かって思いっきり声を出して練習した成果あり。本番は大成功!

 多摩川探検。今年は雨の日にあたることがほとんどなかったので、たくさん多摩川で遊ぶことができました。最後の多摩川探検ではいつも以上の数の保護者の方にも来て頂き、安全管理をしながら一緒に遊んで下さいました。カリタスの総合は保護者の協力なしには語れません。保護者の温かい理解に包まれて成立しているのです。

1年1組からのトピック


「だいすき~いのちのかがやき~」
 夏に倒れてしまったあかりのために、「あかり応援ソング」を作って、お散歩やエサやりを頑張ってきた子どもたち。そのおかげで、あかりは元気を取り戻し、少しずつ大きく成長していきました。しかし、秋になるとあかりの毛がどんどん抜け始めました。福田牧場さんによると、夏に倒れた時の影響だろうということでした。あかりの抜けた毛を集めて、あかりの毛がまた生えて健康な大人に成長するようにと願いを込めながら、子どもたち一人ひとりが小さい「あかりマスコット」を作りました。そして、秋の収穫したサツマイモのつるリースに取り付けました。
 2月。これらの子どもたちの歩みを学習発表会で伝えました。舞台では、歌や踊り、セリフにして元気いっぱいに伝えました。教室では展示を見ながら、お客さん一人ひとりに子どもたちの言葉で説明しました。また、多摩川探検については、これまで多摩川で出会った自然や生き物になりきって「たまがわうた」という詩集にして展示しました。
 その後、最後の多摩川探検に出かけました。お天気にも恵まれ、子どもたちがこれまでやってきた中で一番やりたい遊びごとに班分けをし、大好きな仲間たちと存分に活動し尽くしました。それを支えてくださったのは、たくさんの保護者の方々の学習参加でした。たくさんの「いのちのかがやき」に出会った子どもたち。そして、子どもたち一人ひとりの中にもたくさんの「いのちのかがやき」を感じることのできた一年間でした。

6年3組からのトピック


「歴史劇 〜日本を洗濯致し申し候〜」

 一学期の終わりに総合のテーマが「歴史劇」に決まり、二学期は劇の内容を具体的に考えました。
 まず、はじめに「歴史劇で何を伝えたいのか」をクラス全員で意見を出し、話し合いました。そして「昔があるから今がある」ということを伝える劇にすることにしました。次に、どの時代で、どんな人物や出来事を通してそれを伝えるかを話し合いました。戦国時代、幕末などいくつかの候補が挙げられましたが、「昔があるから今がある」を伝えられるのは幕末だと考えました。特に、坂本龍馬と木戸孝允を中心人物とした劇を創ることにしました。そして、現代から女の子が幕末にタイムスリップするという設定にしました。
 ここからが大変です。歴史を学びながら脚本を作らなければなりません。そこで、脚本チームと歴史研究チームに分かれて活動することにしました。脚本チームは、場面をいくつかに分け、手分けをして脚本を作りました。研究チームは、坂本龍馬、木戸孝允の人生や、関係人物、出来事などを調べ、脚本チームと協力できるようにしました。
 こうして、第一回目の脚本ができ、皆で読んでみました。すると、一生懸命調べ、やっと作った脚本は、どうしても難しい言葉や説明が多いものでした。子どもたちからは「劇を観る人にとって分かりづらいのではないか」「もう少し言葉を簡単にしたらよいのではないか」「場所が変わりすぎていて混乱するのではないか」などの意見が出されました。
 そこで、皆で分担して、脚本を、小さい子や歴史を知らない人にも分かるように簡単な言葉に直しました。更に、難しい場面は削るなどして、分かりやすい劇になるように努めました。
 二学期いっぱいを使って、やっと脚本が出来上がりました。三学期からは、いよいよ劇の練習です。

2年2組からのトピック


「ふわふわクローバー クロちゃんとエール」

 “大切なクロちゃんの毛で失敗はしたくない”という思いで、去年の2年生が飼っていたみらいときららの毛、そして牧場から分けて頂いた3頭の羊の毛、合計5頭分の毛を洗い終えました。1学期から洗っては振り返り、その毛を紡いでみては振り返り、どんな洗い方がきれいになるのか、フェルト化しないのか、紡ぎやすいのか、みんなで考え、意見を出し合って洗い方が変わっていきました。

 同時に、スピンドルという道具を手作りして毛糸を紡いだり、石けん水でフェルトコースターを作ったり、羊毛が糸やフェルトに変化することも経験してきました。休み時間にはニードル針をちくちく刺してフェルトマスコットを作って遊んだり、毛糸を指やかぎ針で編むことも大流行です。

 また、染めた羊毛を使って作品を作りたいという願いから、学校を一周して拾ったり、家から持ってきたりした材料で染めました。さくらの落ち葉やラムズイヤーというふわふわの葉っぱ、ミント、ドングリ、ぶどうの皮やタマネギの皮などです。様々な植物の葉や実、枝を煮出して染めると黄色やクリーム色、茶色、紫色に染まりました。

 初めての時は上手くいかなかったことも、みんなで振り返りアイディアを出して2回、3回と挑戦しながら、クロちゃんの毛を使ってどんな作品を作りたいのか、それぞれに思いが膨らんでいます。
 そして、クロちゃんの毛を一人ずつ受け取り、今までの経験を活かした作品作りが始まろうとしています。クロちゃんと一緒に、いつも羊毛と戯れながら過ごしています。