6年2組からのトピック


「出汁」

 7月7日、21票と17票という僅差で、6年2組の総合テーマは決まりました。最後まで残った候補は組子と出汁。木材を薄く小さく切り出し、かみ合わせだけで幾何学模様を作っていく組子は「難しそう」「だからこそ挑戦したい!」と当初から人気を博してきました。また出汁も、鰹や昆布を使った和風出汁、野菜の切れ端を上手に取り揃えて作る野菜出汁など、広がりのある活動予想に夢が広がっていきました。どちらも魅力的で、総合のテーマとしても申し分なし。しかし取り組めるのは一つだけ。「もう意見は大体出尽くしたよ」という声を受け、双方の活動に一度取り組み、決を採ることとなりました。

 電動糸のこぎりの扱いは、ちょうど図工でも取り組んでいたのでお手の物。とは言え、大きすぎず小さすぎず、ぴったりはまる大きさ・形にパーツを切り出していくのは予想通り難しいものでした。形が出来上がってくると「ぴたっとはまった!」「できたよ〜!」と、満足そうな声があちこちから聞こえてきました。

 家庭科室での出汁作りは、まずは基本から始めたいと“鰹と昆布の合わせ出汁”に挑戦しました。化学調味料にはない、優しくてほっとするような味わいと香り、塩やお酒をほんのちょっぴり入れるだけで風味が良くなる不思議に、子どもたちは興味津々。ゆらゆら上がる熱々の湯気に驚いたり、鼻をくんくんさせて出汁の香りをいっぱいに吸い込んだり、五感を使って楽しむ活動にいっそう関心が高まっていきました。

 体験活動から感じたことをじっくり話し合い、満を持して臨んだ多数決はまさかの19対19。「こんなことってあるの!?」と、教室には苦笑いが広がりました。その後、さらに意見を整理して採った決の結果が、冒頭に書いた票数です。4票差で決まったテーマは出汁。決め手となったのは“活動の幅広さ”と“オリジナルを作れること”でした。まずは夏休み、調べたり考えたり連絡を取ったり、2学期へと続く個人の活動に力を入れていきます。

5年2組からのトピック


「城ピタ」

〜「考え方」を育てる番組〜
NHK-Eテレで有名な「ピタゴラスイッチ」のHP冒頭に書かれた一節です。

 その「ピタゴラスイッチ」と「城」を融合させたのが『城ピタスイッチ』。5年2組の“造語”です。「城を舞台にしたピタゴラスイッチ」ができないだろうか…という案から話が進み、テーマ決定に至りました。

「ピタゴラ作ろう!」「もう最高!」
テーマが決まれば、みなが一つの目標に向かって動き出す。これが、カリタス小学校の子どもたちの素敵なところです。思うがままに、ピタゴラ装置を作っていきました。道を作り…ビー玉を転がし…遂にゴール!拍手と歓声で包まれます。
「リレーみたい」
この言葉が生まれたのは、とある友達の作った装置(写真4枚目)を見てからでした。
①黒いレバーが倒れる
②木に当たる
③持ち上がった木の先に設置されたビー玉が飛び出す
④ビー玉が新たな道をいく…
「50m徒競走」なのではなく、「リレーのようにバトンタッチをしていく仕掛け」が目指すべき『ピタゴラスイッチ』なのだと気が付いた瞬間でした。

 そうでした、『城』についてはどうしたら…。以下は、子どもたちの当初のイメージです。
「戦国時代や江戸時代のお城や城下町を調べて作りたい」
「ビー玉を人のように走らせる」
「飛脚の人が一旦休んで、お寺で八つ橋を食べる」
一学期末になると、城下町に関する番組を観た子が、こう提案します。
「城ピタに使えそうなアイディアは、直角に曲がっている道です。球が角に当たってはねかえり曲がる工夫をしたらいいと思います。」
これまで、直角の道を作るなんて考えはありませんでした。しかし、6年生で初めて学ぶ「歴史」について調査をしてみると、作るべきピタゴラ像が明確になることを知りました。

 『城』×『ピタゴラスイッチ』=『城ピタ』
 未知なる世界への挑戦です。一旦、夏休みに入りました。『城ピタ』という総合を築き上げていく子どもたちに、エールを送りたいと思います。

1年1組からのトピック


「だい だい だいすき」

 山羊さんがやってきたのは6月26日です。
 牧場主の福田さんに「山羊さんの命をみんなで守ります」とお手紙を書き、校長先生にも直談判し、2年生の飼育当番を手伝ったりするなかで、子どもたちはこの出逢いの場面を夢にまで見ていたのです。心細そうにトラックから降りてきた山羊さんを子どもたちは抱きしめました。
 この瞬間からみんなは山羊のお父さん、お母さん…。毎日声をかけ、嬉しそうに散歩に連れ出し、小屋の清掃も頑張っています。餌箱やバケツを助け合って運び、汗をかきながら小屋の掃除に励んできました。言うことを聞かないこともあるけれど顔を間近に寄せて語りかけ、説得します。言葉と表情による対話が始まりました。
 名前は「ひかり」、みんなのひかりになってほしい、みんながこの山羊さんのひかりになりたいと願って名付けられました。
 ひかりの目を見てスケッチをしたり、軟便になったときに話し合いをしてその原因と考えられる雑草を抜いたり、アクシデントもあるけれどその都度クラスが一つになって同じベクトルの向きで動いていく姿が幾度も見られました。
 休日当番も流れだし、親子でひかりの成長を味わう日々が微笑ましい夏休みが始まったばかりです。

 多摩川探検にも入学後に三度出かけました。
 初夏の陽射しをものともせず、沼や草むらの生き物を追いかけ、川べりではお風呂をつくる子どもたちもいます。丈の長い草をかき分けてずんずん進む快感、バッタを捕まえたときの成就感、ザリガニを見つけたときの目の輝き… どれも次の探検への期待感に繋がっています。

1年3組からのトピック


「だい だい だいすき」

 1年生は学年で学期の後半も6月、7月に1回ずつ多摩川探検にでかけました。
 川では自然の中で楽しい時間を過ごすことができました。
 初めての多摩川探検では網を持って、生い茂る草むらをかきわけ走り回っていました。しかし、二回目・三回目には「こういうところに蝶がいるはずなんだよな」と蝶がいそうな場所を絞ってとりに行く子がいたり、「とんでいる蝶よりも一度とまった時がとりやすいんだよ」ととり方の工夫をしたり、蝶をとるまでの過程はそれぞれの子どもによって違いが生まれていました。また、ある子は土手すべりをしていました。何度も何度も滑る子どもたち。シートの向きを変えたり、一人ではなく二人で滑ったり様々な滑り方の工夫を次から次へと思いつき、その度に試しながら楽しんでいました。
 自然の中で「遊び」を見つけ夢中になって取り組んでいる時の子どもたちの目はいつも輝いています。そして、その中で生まれる「工夫」や「閃き」によって、目標を達成できた時には喜びもひとしおです。石投げをする子、花摘みをする子、絵を描く子、それぞれの子どもが遊びを見つけ、夢中になって取り組む姿を見て、子どもたちは遊びの天才だと思いました。

 とうとう動物が3クラス決まり、やってきました。
3組はヤギの「とわ」ちゃんです。どのクラスの子どもたちも「かわいい!」と顔をくっつけてかわいがる姿が見られました。しかし!これからは「かわいい」だけでなく、お掃除や体調管理までお世話もしていかなくてはいけません。子どもたちは…
 朝、学校に来ると、すのこ洗いや糞の掃除、エサの準備まで汗をびっしょりかきながら、頑張っています。動物の糞を見て、「あ〜よかった」「コロコロうんちだった」と動物の健康にも気を配っていました。まだまだ始まったばかりですが、ヤギさん・ヒツジさんに心を寄せて学年みんなで協力し合う姿が見られました。
 子どもたちの生活に新しく加わった動物たち。子どもの中からは「わたしたちがお母さんにならないと」という声も聞かれました。子どもたちが協力し、動物さんたちの「お母さん」になれるのか。子どもたちと動物さん、動物さんと子どもたちの毎日がスタートしました。

4年3組からのトピック


「自然のものを使って料理をしたり、遊び道具を作ったりしよう(テーマ名未定)」

 6月6日にテーマが「自然のものを使って料理をしたり、遊び道具を作ったりしよう」に決まりました。かまどを作って料理をするのですが、火をおこすことから始めるのか、または、火はマッチでおこしかまど作りから始めるのか、意見が分かれました。前者は「自然のものを使うから当然火おこしから始めたい」、後者は「火おこしだけで1年終わってしまっては私達のやりたいことができない」といいます。「何事もまずやってみなければできるかできないかはわからない」ということで、とりあえず火おこしから始めました。

 1学期は班毎に2回同じ方法で火おこしをしました。4つの班は丸太にロープをこすりつけるやり方、残り5つの班はきりもみ式発火法で挑戦しました。結果は前者は全く気配なし、後者は「煙が一瞬出た」「臭いがした」という班もありますが、火花まではいきませんでした。

 そこで、夏休みの自由研究で、火おこしや火おこし道具作りの体験を勧めました。別のよい火おこし道具、火おこしの方法に出会えるでしょうか?期待しています。

2年3組からのトピック


「キララと共に・野菜・多摩川たんけん・竹」

 多摩川たんけんが5月31日・7月6日と1学期は2回ありました。子どもたちは多摩川の河原で思いっきり、友達やお父さん先生、お母さん先生と遊べる時間です。朝の9時半から学校を出発して河原へは、約10分。グループで一緒に活動します。1回目は秘密基地作り・病院のお化け屋敷・家作りなど、保護者の方々と一緒に懸命に遊びました。2回目は場所を河原の奥深くまで行き、竹が生えているところを見つけて家作りをしました。細竹を見つけ、ネックレスにしたり長いまま学校まで持ってきたりと竹に興味を持つ様子が見られます

 6月17日の学校説明会では、3組が育てているヒツジのキララや1組のみらい、2組のゆきを教室に入れて園児の皆さんに動物の説明をしたり触れあってもらったり、キララの歌(3組の子が作曲)を来てくださった方々に披露しました。子どもたちはうきうきで歌を歌い踊りました。見ている園児さんたちも思わず微笑みがこぼれていました。子どもたちは、「もこもこ」「かわいい」と言ってくれることが、何よりも嬉しかったようです。日記にも嬉しかった感想を多くの子が書いていました。



 育てているキュウリやナス、ピーマンがよく育ちみんなで味わいました。
 総合デーには、また大勢の方に来ていただき、子どもたちも喜んで、キュウリやナスの絵を一緒に描いて楽しみました。

 2学期は竹の子の皮を使って作品を作るので子どもたちは今から楽しみにしています。キララの毛も使って1人一個ずつ作品を作ります。

6年3組からのトピック


「寄木細工」

 テーマ決めで最後まで残っていたのは「石けん」と「寄木細工」でした。「石けん」については、苛性ソーダなどの化学薬品の危険性が批判されて、それを解決すべく自然の植物や食品を使って、固形石けんにこだわらずに「洗う」という広い視点で色々な情報を調べてアピールしました。ドングリで作る液体石けんなども出てきておもしろそうで、活動も広がりそうだと感じる人が増えました。

 しかし、昨年から熱心に「寄木細工」を推してきた人たちが、箱根の工房に連絡を取ったり、材木屋さんに連絡を取ったりして積極的に「なんとかできる!」「難しいけれど、やりがいもある!」と訴えたことが最終的に決め手となって「寄木細工」に決定しました。

 決まったのが7月5日で、その後の活動はほとんどできませんでしたが、夏休み中にはできるだけ実際に箱根の工房を訪ねたり、材木屋さんに行ったりして、具体的な情報を集めてくることになっています。2学期には、まず、本物の職人さんの仕事を見られるような見学の機会を設けられたらいいなと考えています。

4年1組からのトピック


「大豆」

 前回、テーマの話し合いで残っていた題材が『大豆』『かいこ』『しゃぼん玉』『都道府県』『石けん』など。これらを絞り込んでいくために、仲間とポスターを描き、プレゼンをしていきました。自分たちが「このテーマは…」と考えるセールスポイントを語ります。その語りを他のテーマを推す子たちが聞き(聴き)ます。どの子も「自分が考えているテーマが一番」と思っているのは間違いないことですが、このプレゼンを通して、他のテーマの良い所を見出すように聞く(聴く)ことができると、最後の決定の際にはみんなで納得できるのではないかと考えます。ですから、このプレゼンの時間はとても大切です。

 6月末。何回かプレゼンを繰り返し、最終的には『しゃぼん玉』『都道府県』『大豆』が残りました。ここまでくり返し、それぞれの魅力を伝え合い、受け止めようとしてくると「どれに決まってもいいよ!」という雰囲気が出てきます。そして「一学期も残り少なくなって来たから早く決めたい!」という思いも。7月初旬。ついに「もう決めようよ!」となり、3つのテーマで投票をし、今年度の題材は『大豆』に決定しました。

 『大豆』は、そのままでも食べられますがいろいろな食品に変化します。そのことを3年生の国語の教材文で知っていた(これも選ばれた要因の1つ)子どもたちは、そこにこのテーマの魅力を感じています。味噌・醤油・納豆・豆腐…。何を対象にして研究をするか?
 「これがいいな」「あれがいいな」とありますが、その前提に「自分達が育てて収穫した大豆で」という思いは子どもたちにはありました。そこで、大豆を植えることからスタート。植え時にはギリギリでしたから、大急ぎでプランターをたくさん使って『大豆畑』をみんなで作りました。種は子どもたちがお店で探してきました。品種は『丹波黒大粒』『枝豆茶豆』『黒ひかり』『湯あがり娘』『秘伝』などいろいろ。「全部試したい」というので、プランター毎に違う品種を植えています。また、「カラスにすぐにやられる」「カメムシがすぐにつく」など子どもたちは情報を集めてきたので、対策も施して夏休みを迎えました。

 夏休みは、輪番で水やりにやってきて、大豆の生長を見守っています。

6年1組からのトピック


「家」

 「みんなで力を合わせてもっと上を目指す」という自分たちが立てた目標と照らし合わせながら、「家」「遊園地II」「お化け屋敷」の3つからテーマを考えていきました。でもお試しもできず、話し合いは平行線のまま。そこで、昨年の遊園地の遊具のように思い思いにまず模型を作ってみよう、ということになりました。

 お化け屋敷チームは部屋のレイアウトと実際の仕掛けを段ボール箱で作り始めました。遊園地チームは観覧車・コーヒーカップ第2弾・ジェットコースターの仕組みを悩みながらも模型にしていました。そして、楽しそうに部屋割りを考える家チームの子たち。段ボール箱を仕切って部屋を作り、お人形の家具を置いて、まさに人形の家を作りました。工作用紙で家具を作り始める子も出てきました。

 模型づくりも終盤に入った頃、家チームのリーダーであるMさんとYさんが皆に「聞きたいことがあるんだけど」と切り出しました。
「何だか家というよりは、家具に凝っているので、家具づくりをしたいのかな、と思って。それなら家具づくりをテーマにしますか?」
それに対して、賛成が4人いましたが、20人以上は全くその気はないとのことでした。そうであれば、はじめから段ボールのような底も壁もある家はありません。自分たちの家造りに対する考えが甘かったことに気づきました。

 はじめから割箸を使って柱を立てるのに苦労していたYさんとRさんは「ラーメン構造」について研究していました。また、何気なく柱を立てて家のように作ったものの、あっという間に柱が全て倒れてしまったSくんは、柱と柱の間に斜めに一本筋交いを入れることに気づきました。

 子どもたちも、実際に家造りは大変だと改めて実感したようでした。「真剣に取り組まないと大変なことになる」と。そこで怖じ気づいた子が数名いましたが、結局は「家〜37名みんなで泊まりたい〜」に決まりました。
 2学期からの活動に向けて、夏休みに自分たちで調べたり、材料を集めたりすることでしょう。

4年2組からのトピック


「つるし雛」

 5月の運動会の代休を利用して、何人かの子が「つるし雛」を作る体験をしてきました。本場の伊豆稲取に家族で行った子もいて、その発表を皆で楽しみながら聞き、その作品を見ながら「うわー、すごい。こんなに上手に出来るの」とみんな興味津々でした。

 でも、すぐに作り始めようとはしませんでした。もっと作り方を調べたい子がたくさんいたのです。「グループで大きな紙に新聞としてまとめたい」という願いが生まれ、国語の『新聞を作ろう』の単元と絡めた活動が始まりました。新聞には、つるし雛の歴史やつるし飾り一つ一つに込められた願い、その作り方などがまとめられ、「つるし雛」以外のテーマに興味があった子も、この活動の結果「つるし雛」作りの準備が出来ました。

 そして、注文していたお裁縫セットが届き大喜びの子どもたちは、画用紙や折り紙で型紙を作り始めました。
 「いまいち本で見ても作り方が分からない。イメージがわかない」と口々に言っていた子どもたちは、まずは紙で作ってみることにしました。

 1学期の終わりに、布を使って作り出しましたが、お裁縫が初めての子は糸の玉結びも出来ません。最後の玉どめもできません。でもこのクラスには、4年生から始まったクラブ活動で手芸クラブを選んだ子が10人もいたのです。お裁縫の基本も学び合いながら少しずつ作品作りが進んできました。