1年1組からのトピック


「ひかりはかぞく」

 3学期に入って多摩川探検に2度行きました。1月は極寒の冬だからこそ、動植物は影を潜めていました。全体が茶色っぽい真冬の風景に一瞬たじろいだ子どもたちでしたが、気を取り直して秘密基地づくりを始めると、たちまち身体のなかは温まります。葦や枝、或いは枯れた葉を編んでみるみるうちに大きくなっていきました。みんなで創るとアイデアがいっぱいです。

 3月になるとその続きを立派にしていったのです。また、互いの“新居”を訪ねあう光景も見られるようになって、建物の大きさのみならず協働する子どもたちの規模も広がりつつあります。沼では蛙の卵がいっぱい見つかりました。学校の池に入れて、4月に新しい1年生がオタマジャクシを獲る姿を思い描いています。

 秋以降に飲料のケースを集め始めた子どもたちは、それを上に積み上げることに着手しました。ひかりだけではなく3組のとわちゃんも遊べるように複数の登り口を探っていたのです。約束通り、3月13日に山羊のひかりを牧場に返しました。牧場主の福田さんに来年度もひかりを貸していただく約束を交わした子どもたちは、惜別の涙もありましたが新たな出逢いを心待ちにして2年生になる始業式の日を心待ちにしています。

1年1組からのトピック


「だい だい だいすき」

 2学期は秋祭りに多摩川探検、お芋掘りにタマネギの苗の植え付け、そして山羊のひかりとの暮らしが重なり合う豊かな期間でした。
 秋祭りではちいさな掌を重ねながらお店に出す紙トンボ(竹とんぼ)や花びん、看板などを制作、当日は浴衣を着て6年生との一時を過ごしました。
 川の探検では月を追って変貌していく自然の懐に飛び込み数えきれないくらいの発見をしました。草は枯れても寒さを吹き飛ばし秘密基地をつくっている子もいました。
 さて、クラスの一員であるひかりとの日々は毎日がドラマの連続です。
 9月には体調を崩しました。食欲が突然なくなったのです。薬を投与しながら回復を待ちました。ひかりの表情を読みとりながら会話をする子が教室で語り出す場面が出てきました。「あのね今日小屋に行ったらひかりが“あたたかいからいっしょにお散歩しよう”って言っていたの」と語り出すのです。
 お転婆な山羊たちが高いところが大好きなことを知った子どもたちは2頭が遊べる場所作りを始めています。
 「ビールのケースを集めそれをどのように積み上げるか」、そして「そこに乗った山羊たちの足の裏を守るためにできることはないか」をみんなで話し合っています。
 子どもたちは3学期に向けていつもみんなで悩み、考え、行動に移しているのです。

1年1組からのトピック


「だい だい だいすき」

 山羊さんがやってきたのは6月26日です。
 牧場主の福田さんに「山羊さんの命をみんなで守ります」とお手紙を書き、校長先生にも直談判し、2年生の飼育当番を手伝ったりするなかで、子どもたちはこの出逢いの場面を夢にまで見ていたのです。心細そうにトラックから降りてきた山羊さんを子どもたちは抱きしめました。
 この瞬間からみんなは山羊のお父さん、お母さん…。毎日声をかけ、嬉しそうに散歩に連れ出し、小屋の清掃も頑張っています。餌箱やバケツを助け合って運び、汗をかきながら小屋の掃除に励んできました。言うことを聞かないこともあるけれど顔を間近に寄せて語りかけ、説得します。言葉と表情による対話が始まりました。
 名前は「ひかり」、みんなのひかりになってほしい、みんながこの山羊さんのひかりになりたいと願って名付けられました。
 ひかりの目を見てスケッチをしたり、軟便になったときに話し合いをしてその原因と考えられる雑草を抜いたり、アクシデントもあるけれどその都度クラスが一つになって同じベクトルの向きで動いていく姿が幾度も見られました。
 休日当番も流れだし、親子でひかりの成長を味わう日々が微笑ましい夏休みが始まったばかりです。

 多摩川探検にも入学後に三度出かけました。
 初夏の陽射しをものともせず、沼や草むらの生き物を追いかけ、川べりではお風呂をつくる子どもたちもいます。丈の長い草をかき分けてずんずん進む快感、バッタを捕まえたときの成就感、ザリガニを見つけたときの目の輝き… どれも次の探検への期待感に繋がっています。

1年1組からのトピック


「1年生の今」


 入学後に1年生の子どもたちがしてきたこと、それは身のまわりのひと・もの・こととであうことです。

 「学校探検」では校舎内のマップを手に、各学級、各教科の先生方を探して歩きました。
自己紹介をして先生方と握手をする度に小学校の空間が身近なものになってきました。

 第1回目の「たまがわたんけん」には5月12日にでかけました。
多摩川は、日本一広い教室です。広大な空の下、川の流れや小鳥の声に耳を澄まし、グループの友だちと石投げをしたり、かわいい形の石を探したり…ちょうちょやバッタを追いかけたり…お花の冠を作ったり…木登りをしてみたり…沼でヤゴやエビを捕まえたり…さまざまな活動を思う存分楽しむことができました。「こんどはあれがしたいな!」と早くも次の「たまがわたんけん」が楽しみで仕方がありません。

 教室では、どんな動物を飼いたいか、少しずつ話し合いを始めています。
5月の連休に牧場に出かけて聴いてきたことを発表したり、2年生から山羊や羊のことを聞いたり、休み時間に散歩をさせてもらったりしています。もうすぐクラスの意見を一つにすることができるかもしれません。ようやく学校生活に慣れてきた1年生は、さてどんな動物と出逢うのでしょうか。