5年3組からのトピック


ペットボトルで作るエコの世界

●作る その2 「これってエコ?」疑問と違和感
何を作るか決めるのに時間がかかりましたが、理想と現実のギャップを感じたのはこの時です。作りたいものを優先したので、素材の形を無理やり変えようとしたり、くっつかなければ茶色のガムテープでぺたぺた張ったり、ビニールテープをぐるぐる巻きつけたりと、ペットボトルである意味が感じられませんでした。作っている最中には、気づかなかったことも、振り返りをしてみると自分たちが目指すものとは違うことに気づきました。

●作る その3 「共通の注意事項が確認」
・ペットボトルそのものを活かす。
・作りたいものが同じもの同士が集まる。
・最後は、ペットボトルがリサイクルできるように、色や接着剤をできるだけ付けない。

●作る その4 「関わるごとに素材を活かす発想力・技術力がup!」
このテーマに決まってから、子どもたちは作りたい気持ちがあふれて夢中になっていました。当初のリサイクルについて学ぶために「リサイクルセンターや工場、多摩川や海に行ってみるなどはどうするか」を12月の作品ができた時点で話し合いましたが、時間的なことを考え「作る」に絞ることになりました。
制作に集中できたことは良い結果となりました。初代の作品と比べると素材を生かす力、加工技術、特に協力の仕方(関わり方)が見違えるよう上達しました。同じ目的のために率直に意見の出す姿、また折り合いのつけ方がうまくなり、笑顔が絶えず、目を輝かせて活動していました。
一見、おしゃべりが多いと感じることもありましたが、仲を深めていく時間でもあったので見守ってきました。たっぷりとペットボトルと向き合う時間、たっぷりと友だちと話し、協力して完成を目指す時間は小さいころの失われていた時間(コロナ禍等)を埋める貴重な時間だったと思っています。

●一つの物とたくさん関わると、物を大切にする心が生まれる!
不要と思われるペットボトルを処分しました。すると、慌てて教室から飛び出していく子たちがいました。理由を聞くと、「記念に一つ持って帰りたかった」というのです。「まだ、使っていないきれいなものがあるよ」というと、「違うんです!使ったものが記念になるんです!切ったものとか!」というではありませんか。純粋な子どもの気持ちに胸が熱くなると同時に、物を大切にする心は素材とたくさん関わるから生まれることに気づかされました。
ペットボトルは出来上がったものですが、子どもたちの前にあるペットボトルは素材としてのペットボトルです。真剣に「エコ」を考えることができるのは、ここからかもしれません。

5年3組からのトピック


ペットボトルで作るエコの世界

全校に協力していただき、ペットボトルを集めました。二学期は、ゴミ袋10袋以上の集まったペットボトルを使って作品作りをしてきました。一つ目は、ペットボトルの素材を知るため、個人の作品を作ることになりました。そこで、虫除けとして効果があると言われるオニヤンマを作って帽子に取り付けて、宿泊活動の登山で使いました。

二つ目は、班ごと考えて一つの作品を作ることになりました。ここでは作りたい物のイメージが先行し、ペットボトルをどうにかしてイメージの形にしようと、細かく切ったりつぶしたり、接着もテープや接着剤を大量につかったり、マジックでぎっしりと色を塗った作品が出来上がりました。しかし、作品は子どもたちは思ったようにできなかった不満が強くなってしまいました。また、接着剤やテープ、色を塗るなどは最終的にSDGsにはならないと言う反省があがり、これでは不要なゴミを増やしていることになるのではないかという意見もでました。

三つ目の作品は、作りたい物が同じ物同士の班にし、イメージを共有しやすくすることにしました。写真のクリスマスツリーや花は、接着剤を使わずに作られています。

た、ペットボトルの形に目を向け、模様や形を生かす工夫を考えるようになり、光の反射を利用することで透明の美しさを際立たせるようにと進化してきました。

5年3組からのトピック


ペットボトルで作るエコの世界

●「総合教育活動」って?
4月、クラス替えをしてまだ慣れない友だちとの話題は「今年の総合何にする?」でした。友だちと共通の話題で繋ぐ一役を担っていました。そこで、「総合教育活動」の大切な視点について問いかけました。すると、①楽しく一年間かけて探求、追求できるか。②みんなで協働の学びができるか。③みんなが納得できるテーマということがあげられました。そこからスタートし、総合のテーマでやりたいことの意見を出し合いました。そのうちに興味の持つ物同士でプレゼンの内容や資料製作が始まりました。しかし、何でも出していたため、消しゴムはんこ、映画、ペットボトルで作る、劇、トリックアート、縫い物、針金アート、千羽鶴、プログラミング、アレルギー除去食品の開発など12個ものテーマがあげられました。その理由で「今、やりたい事」ではなく「将来役に立つから」という言葉に違和感があり、もう一度問い直してみました。

●5年3組の総合は、「みんなでやればやるほどおもしろい!」が大事
学校でみんなと協力して一つの物を作り上げられる総合のテーマ探しになり、3つに絞ったのが「ペットボトルで作ろう」「映画」「劇」でした。
最初は、それぞれの提案者が説明をしていましたが、それをどのように受け止めているのか知るため、クラス一人ひとりから自分の考えを自分の言葉で話してもらいました。そうして友だちの言葉に耳を傾けていくと、自分の推しているテーマ以外のテーマの良さを認める空気がでてきました。そして、他者を否定するのではなく、意見を述べる言葉に変化がみられ、相手を尊重する話し合いの空気が生まれ、より発言しやすくなったようでした。3組が「学校でみんなと協力して一つの物を作り上げられる総合」に向けて動き出しました。

●相手を認め、尊重する空気が生まれる
最終的に「映画」と「ペットボトルで作ろう」に絞られました。「映画」は3人だったので、多数決で決めてしまえば「ペットボトルで作ろう」に決まるわけですが、「映画の人たちも頑張ってきたから、映画の人が納得する決め方をしてあげたい」と言う意見が出て、その3人にもう一度時間をあげることにしました。映画の3人の話し合いは、33対3と言う圧力に「負けた」では、ありませんでした。「やるだけやったし、4人から一度は増えて最後のここまで残ってきたから頑張ったと思う。みんなに自分たちの考え、映画の良さも伝わっていたのは嬉しかった。私たちも、「ペットボトルで作ろう」の良さも理解しているし、総合のテーマは、もう決めなければならない時期だから、残念だけれど次に進むために「ペットボトルで作ろう」の総合で頑張っていこう」と3人で気持ちを整理してみんなに伝えることができました。